9月下旬の小雨が降る日。
京都市東山区の妙法院に参拝しました。
妙法院は、三千院、青蓮院(しょうれんいん)とともに天台宗の三門跡寺院に数えられる格式の高いお寺です。
他の2つは、境内に入るのに拝観料が必要ですが、妙法院は境内に入るのに拝観料は必要ありません。
そのため、近くに来た時に気軽に立ち寄ることができるのです。
曇り空と境内
妙法院は、京阪電車の七条駅から北東に7分ほど歩いた辺りに建っています。
今回は、フォーシーズンズホテル京都が建つ北側の入り口から境内に入ることにしました。
門をくぐって最初に目にする建物は、妙法院門跡事務所です。
和風建築のようでもあり、洋風のようにも見えます。
四条通や川端通にこのような建物の料理屋さんが建っていそうですね。
事務所の前では、赤色のヒガンバナが密集して咲いていました。
9月も下旬となると、京都のいたるところでヒガンバナを見かけますね。
事務所の南側に建つのは、庫裏(くり)です。
庫裏は、お寺の台所のような役割を果たしている建物で、妙法院の庫裏は安土桃山時代に造営されたそうです。
近世の庫裏は、居住空間としての機能も持っていましたが、妙法院の庫裏は、調理の場としての本来の機能のみを有しています。
中には入れませんが、外からは誰でも見れる庫裏は、実は国宝に指定されている貴重な建物なのです。
庫裏の南側に建つ大玄関は重要文化財に指定されています。
境内の南東に建つ唐門。
唐門は、庇(ひさし)が弓なりになっているのですが、妙法院の唐門はまっすぐです。
唐門から東に延びた参道。
この参道を歩いて行くと、北側に大きな建物が建っています。
写真に収まり切らないほどの大きさのこの建物は、門跡寺院に特有の宸殿(しんでん)です。
これだけ大きいと、宸殿を本堂と間違えそうです。
妙法院の本堂は、宸殿の南側に建っています。
中には、本尊の普賢菩薩が祀られています。
それでは、お参りをしましょう。
宸殿と本堂に挟まれた参道を西に戻ります。
その途中、大きめの石碑が置かれています。
これは、七卿碑です。
文久3年(1863年)8月18日。
御所から、長州藩と彼らを支持する7人の公卿が追放される八月十八日の政変が起こりました。
七卿と長州藩士は、ここ妙法院で今後どうすべきか話しあった後、長州へ引き上げることを決議し、今日と同じ雨が降る中、京都から落ちていきました。
旧暦の8月は現在の9月頃ですから、時期的にも同じ頃ですね。
雨は強くなることもなく、止むこともありません。
妙法院には参拝者用の休憩所が設けられているので、ここで雨宿りしていくこともできます。
ガイドブックも置いてあるので、近くの観光名所を探すのにも便利ですよ。
この後は、智積院(ちしゃくいん)に参拝しました。
なお、妙法院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。