3月上旬。
京都市右京区の大覚寺に参拝してきました。
大覚寺は、皇族の関係者が代々住持を勤めてきた門跡寺院ということもあり、境内はとても広く建物も見ごたえがあります。
今の時期は、境内に植えられている梅が花を咲かせる頃。
今回の参拝の目的は、諸堂を巡りながら梅の花を愛でることであります。
5分咲きの左近の梅
大覚寺には、JR嵯峨嵐山駅から北に15分から20分ほど歩くと到着します。
境内の入り口付近には、たくさんの松が植えられています。
その松に混ざって数本の梅の木があるのですが、どれもまだつぼみの状態でした。
玄関門をくぐります。
すると奥に式台玄関が見えますが、こちらは拝観の入り口ではありません。
拝観の入り口は式台玄関の左側で、建物内に入る前に靴を脱ぎ、そして、受付で拝観料500円を納めます。
祇王寺との共通拝観券が600円なので、こちらの方がお得です。
時間がある方は共通拝観券をおすすめします。
受付を済ませ、順路に従い建物内を巡ります。
歩を進めるたびに廊下がキュッキュと鳴るのは鴬張りになっているから。
決して老朽化しているわけではありません。
宸殿(しんでん)にやってきました。
宸殿は、門跡寺院特有の建物です。
大覚寺の宸殿は、江戸時代前期に後水尾天皇から下賜されたもので、以前は天皇に入内した東福門院和子(とうふくもんいんまさこ)が女御御殿の宸殿として使用していました。
宸殿の中から見て右には右近の橘、そして、左には左近の梅が植えられています。
京都御所の紫宸殿にあるのは左近の桜ですが、大覚寺の場合は桜ではなく梅が植えられているのが特徴的です。
左近の梅は、まだ5分咲きくらいでした。
少し訪れる時期が早かったようです。
宸殿の北東に建つ御影堂(みえどう)の前にやってきました。
ここから眺める景色はどことなく気品があります。
御影堂は大正天皇ご即位に際し建てられた饗宸殿を式後に賜り移築したものです。
この格式の高い建物の中には、嵯峨天皇、秘鍵大師(弘法大師)、後宇多天皇など、大覚寺の歴史に大きな役割を果たした方々の尊像が安置されています。
お参りしておきましょう。
次は安井堂の中に入ります。
安井堂の天井には花と鳥が描かれています。
さらに奥の内々陣の折上の鏡天井には雲龍も描かれています。
こちらもしっかりと見ておきたいですね。
でも、雲龍図は奥にあるので床に這いつくばる感じで見上げないと見えないですね。
五大堂
境内の最も東に建つ五大堂にやってきました。
ここからは、大沢池(おおさわのいけ)が見えます。
来るときは晴れていたのに曇ってきました。
そして、小雨もパラパラと降り始めました。
五大堂には茅の輪が設置されていました。
茅の輪は6月に多くの神社で見かけますね。
病気にならないようにくぐっておきましょう。
なお、くぐり方は茅の輪の前に書かれています。
こちらは、今人気のゲーム「刀剣乱舞」のキャラクターの膝丸です。
京都のいくつかの寺社で、刀剣乱舞のキャラクターを見かけることがありますね。
若い女性にとても人気のあるゲームのようで、大覚寺の参拝者の中にも、膝丸を見に訪れたと思われる方が何人もいらっしゃいましたよ。
膝丸は源氏重代の太刀。
その名刀で煩悩を斬ってもらえるのが、膝丸おさめ札。
自分が直したいところを緑色の札に書いて納めれば良いそうです。
紅白梅みくじ、男みくじ、女みくじもあります。
紅白梅みくじはストラップ付き、男みくじと女みくじは一言守入りとのこと。
それぞれ200円です。
宸殿裏の梅
五大堂から順路に従い廊下を歩いていきます。
背の低い白梅。
境内の所々に白梅が植えられていますが、多くが見ごろ過ぎでした。
大覚寺の廊下は直角に曲がり、屋根が低くなっており、村雨(むらさめ)の廊下と呼ばれています。
縦の柱を雨、直角に曲がる廻廊を稲光にたとえているとのこと。
このような造りになっているのは防犯のためです。
屋根が低いから刀や槍を振りかぶれません。
しかも、床はキュッキュと鳴る鴬張りなので、気配を消そうとしても足音でばれてしまいます。
宸殿の裏にやってきました。
こちらには、八重咲きの梅が植えられています。
安土桃山時代の障壁画に描かれているような枝の曲がり具合です。
まだつぼみが多く残っているので、左近の梅と同じく、これから見ごろを迎えそうです。
大覚寺に訪れると、いつも拝観時間が長くなります。
やっぱり、いつ参拝しても見ごたえがありますね。
梅は早くに咲いたものは見ごろ過ぎでしたが、左近の梅は3月中旬に見ごろを迎えそうです。
この後は、梅を見るために大沢池に行きました。
なお、大覚寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。