6月上旬に訪れた京都市東山区の圓徳院(えんとくいん)。
南庭を鑑賞し、襖絵などを拝観した後、北書院にやってきました。
圓徳院の庭園は、北書院の前に広がる北庭の方が有名で、参拝時には誰もが時間をかけてじっくりと眺めたくなるはずです。
東北部の石組とカエデ
北書院の中に入ります。
先客の方が1名いらっしゃいましたが、しばらくするとお帰りになられたので、北庭鑑賞中は貸切状態でした。
過去に圓徳院に訪れた時は、多くの参拝者で賑わっていましたから、これは貴重な体験ですぞ。
梅雨で、京都観光に訪れる人が少なくなっているのが、無人の理由でしょうね。
北庭は、伏見城にあったものを移してきたもので、桃山時代を代表する庭園です。
賢庭作、後に小堀遠州が手を加えたとか。
北庭は、東北部の巨石が多数置かれている部分が特徴的です。
築山を中心に二等辺三角形になるように巨岩を配しています。
この豪快さが、戦国時代の雰囲気を出しているというのでしょうか。
安土桃山時代は、まだ戦国武将がたくさんいた時代ですから、こういった豪胆な庭園が好まれたのかもしれませんね。
縁側に座って、のんびりと北庭を眺めましょう。
もっとゆっくりとしたい方は、お茶もいただけますよ。
料金は拝観料とは別ですが。
こちらは、庭園の北側に建つ茶室です。
木々の葉に埋もれているところが、味わい深い建物ですね。
北庭は、池泉回遊式でありながら枯山水という、ちょっと変わった造りになっています。
庭園の北側に石でできた橋が架かっていますが、そこに池はありません。
水の代わりに苔が生えていて、それが池に見えなくもないですね。
青モミジが梅雨らしく、しっとりとして見えます。
この時期にカエデと石組と苔を同時に眺める景色は、心にも潤いを与えてくれます。
梅雨はジメジメしていて不快だと感じる方も多いでしょうが、圓徳院の北書院の中は、ひんやりとして程よく肌が保湿されるような空気感でしたよ。
室内から眺める北庭。
上の写真は庭の東南部を写したものです。
この辺りは、白砂が広がっていて、まさに枯山水庭園といった趣です。
北書院に人がいない時は、室内の奥からパノラマ風に写真撮影するのもおすすめですよ。
そろそろ北書院から出ましょう。
最後に南側から北庭全体を鑑賞。
ここから眺める北庭も、奥行きがあって見事ですね。
圓徳院の拝観後は、三面大黒天にお参りです。
豊臣秀吉の出世守本尊で、大黒天、毘沙門天、弁財天の三面合体の霊像が祀られています。
福徳の神さまの大黒天。
勝運の神さまの毘沙門天。
芸術の神さまの弁財天。
一度のお参りで、三神からご利益を授かれるのですから、時間に追われている現代人にはありがたい神さまであります。
梅雨の時期の圓徳院は、人が少ないので、心静かに庭園鑑賞したい方におすすめです。
なお、圓徳院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。