京都市右京区の花園にある禅寺の妙心寺には、たくさんの塔頭(たっちゅう)が建ち並んでいます。
その多くは、通常非公開なのですが、季節によって特別拝観が実施されるお寺があります。
妙心寺内の北西角に建つ大法院も、そんなお寺のひとつ。
秋の紅葉の季節になると露地庭園の特別拝観が行われるので、11月中旬に参拝しました。
露地庭園の紅葉
妙心寺は、JR花園駅から北東に5分ほど歩いた辺りにあります。
妙心寺の入口付近に境内の案内図があるので、そこで大法院の位置を確認しておきましょう。
大法院の入口にやってきました。
特別拝観の案内が出ていますね。
門をくぐると左手に拝観受付があるので、そこで拝観料700円を納めます。
そして、参道を進んで玄関へ。
靴を脱いで建物内に入り、客殿へと進みます。
客殿内には緋毛氈が敷かれているので、その上に座り、拝観受付でいただいたお茶券を前に置きます。
拝観料が700円と高めだったのは、抹茶とお茶菓子が付いているからなんですね。
抹茶とお茶菓子をいただきながら、客殿の南側に広がる露地庭園を鑑賞します。
大法院の拝観案内には、且坐喫茶(しゃざきっさ)という言葉が記載されています。
これは、「まあ、坐ってお茶でも一服召し上がれ」という禅の言葉です。
露地庭園の紅葉を眺めながら、ゆっくりと進む時間を楽しむものなのでしょうね。
でも、いろんな角度から庭園を鑑賞したかったので、お茶を飲み終えた後は、他の方の邪魔にならないように室内を移動します。
南向きに眺める庭園は逆光となるため、紅葉が光り輝いて見えます。
それが、モミジをより一層美しくしてくれます。
露地庭園は、茶道と深く関わっていますが、ただお茶をたしなむ人だけのものではないとか。
見るだけでなく実用も兼ねた庭園だということです。
苔と紅葉が美しいです。
まだ見ごろには少し早い感じでしたが、それでも、緑色から赤色に移りゆく過程にあるカエデの葉に趣を感じます。
苔むした屋根と一緒に見る紅葉も味わい深いですね。
露地庭園は、客殿の南側だけでなく西側にも広がっています。
つくばいと一緒に見る紅葉も、なかなか風情があります。
参道の紅葉
露地庭園をじっくりと拝観した後は、外に出て参道の紅葉を観賞することに。
来る時からわかっていたのですが、玄関前の紅葉が見ごろを迎えていました。
参道わきにあるカエデも、上の方の葉が秋の日差しを浴びて真っ赤に染まっていました。
墓地へと続く参道のカエデは、客殿の中から見えていたものです。
まだ、オレンジ色ですが、真っ赤に色づいた時に客殿から見ると、とてもきれいなんでしょうね。
小さな門の屋根の上には、真っ赤なモミジ。
真っ青な空にモミジの赤色がよく映えます。
大法院から外に出ると、塀際に秋らしくススキが伸びていました。
ススキと一緒に見る紅葉も情緒がありますね。
露地庭園は、苔の上に散ったモミジもきれいでしょうから、紅葉が見ごろを過ぎてから訪れても楽しめると思いますよ。
なお、大法院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。