京都には世界遺産に登録されている観光名所が10ヶ所以上あります。
世界遺産に登録されている観光名所は、例えば清水寺や金閣寺にしても、広大な敷地内に立派な建物が建てられています。
なので、訪れた多くの方は、入場してすぐに世界遺産に登録されていることに納得されることでしょう。
ところが、京都の世界遺産の中には、すぐには世界遺産に登録された理由がわからない神社があります。
その神社は、宇治市にある宇治上神社です。
狭い境内
宇治上神社は、JR宇治駅から徒歩約15分、京阪宇治駅から徒歩約10分ほどの場所に建っています。
朱色の大鳥居は、立派なものなのですが、そこから少し歩いて境内への入り口となっている門を見ると小ぢんまりとしていて、他の世界遺産に登録されている観光名所とは趣が異なっています。
入り口の門をくぐって境内に入ったのですが、外からの想像通り、狭い境内です。
拝殿や本殿を観ながら、境内を散策したのですが、やはり狭い境内で、他の世界遺産のように立派な建物がありません。
なぜ、この神社が世界遺産に登録されたのか?
正直、よくわからなかったので、社務所で100円納めて、宇治上神社の拝観案内をいただき、読んでみることに。
歴史の重みが違った
宇治上神社が世界遺産に登録された理由は、どうやら、拝殿と本殿にあるようです。
年輪年代測定法で判定した結果、拝殿は鎌倉時代、本殿は平安時代に建立されたものだそうです。
よくよく見ると拝殿も本殿もその屋根は、落ち着きのある檜皮葺となっていますね。
本殿は、1060年頃の建立とされることから、1000年近く現在の姿を保っていることになります。
歴史の長さを知ってから、もう一度本殿を眺めてみると立派な建物に見えてきます。
背後の山に抱かれるように建っている姿を見ると神々しい感じがしますね。
本殿の中には、実は3つの内殿があります。
厳密には、3つの内殿が覆屋(おおいや)に囲まれてひとつの建物になっています。
本殿が長い間、その姿を保つことができたのは、覆屋のおかげだとか。
覆屋に近付くと中の様子を見ることができます。
確かに3つの内殿が存在しています。
なんとも興味深い本殿です。
狭い境内ですが、拝殿と本殿の他にも小さな摂社や末社があります。
これらの末社の屋根も拝殿や本殿と同じように檜皮葺です。
苔が生えていて、さらに落ち着きを感じさせる外観となっていますね。
さらに境内を散策してみると宇治七名水のひとつに数えられる桐原水(きりはらすい)を発見。
桐原水は、神詣のための手水として古来より使用されているものです。
ペットボトルなどに入れて持ち帰ることができますが、飲む場合は煮沸が必要とのこと。
ちなみに桐原水以外の6つの名水は、無くなってしまったそうです。
最初は、どこにでもある小さな神社だと思っていた宇治上神社ですが、じっくりと建物を眺めていると、その歴史の重みがひしひしと伝わってきました。
今では、さすが世界遺産に登録されている神社と思えますね。
なお、宇治上神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。