毎年冬になると、京都市観光協会が「京の冬の旅」と題して、お寺や神社の非公開文化財を特別公開します。
普段、写真でしか見ることができない文化財を実際に見ることができる機会は、なかなかありません。
なので、文化財に興味がある方にとって、こういった企画はうれしいことでしょう。
また、冬は、京都の観光地も殺風景になるところが多いので、この時期は文化財めぐりをするのも京都観光の楽しみ方のひとつです。
ということで、相国寺の塔頭(たっちゅう)の慈照院に非公開文化財を見に行ってきました。
客殿庭園の陸船松
慈照院は、地下鉄今出川駅から北東に10分ほど歩いた辺りに建っています。
入口には、「京の冬の旅」の看板が立っています。
門をくぐると、参道の右側に白砂と石組でできた庭があります。
参道の左には、苔の庭と立派な松。
参道を進むと、拝観受付があります。
拝観料は600円。
ちなみに「京の冬の旅」のガイドブックは、200円です。慈照院も含めて公開される寺社14ヶ所の情報が掲載されています。
また、スタンプラリーも実施されており、3ヶ所のスタンプを集めると、指定のお店で、お茶やお菓子をいただくことができます。
受付を済ませて客殿へ。
客殿は慈照院の本堂で、その前には庭園が広がっています。
ガイドの方の話によると、この庭園は、先ほど参道で見た白砂が敷き詰められた庭と一体になったものだとか。
客殿から遠く比叡山を望むことができるように作庭された借景庭園ということなのですが、現在では、都市整備によって近代的な建物が視界に入ってしまい、昔の景観とは違っているそうです。
庭園でひときわ目立つのが、陸船松(りくせんしょう)と呼ばれる松です。
確かに船のように見えますね。
慈照院は、室町幕府8代将軍の足利義政の菩提所となったことから、その法号を採り名付けられました。
義政は銀閣寺を建てたことでも知られていますね。銀閣寺を慈照寺というのも彼の法号からきています。
客殿内には、足利義政の木造が安置されています。
その脇には、帝鑑図屏風が置かれています。
残念ながら、これらは写真撮影禁止なので、ブログに掲載することはできません。
その他にも本尊の十一面観音立像や狩野派の梅の図、桜の図も鑑賞することができます。
お寺の方が撮影した四季折々の慈照院の写真もきれいでしたよ。
書院、茶室、中庭
客殿で宝物と庭園を鑑賞した後は、書院に移動します。
書院は、棲碧軒(せいへきけん)と呼ばれており、寛永6年(1629年)に桂宮によって建てられた御学問所で、その後、慈照院が賜ったものです。
部屋を仕切っているところの天井近くには、細かい黒い格子の欄間(らんま)があります。
縁側と部屋を仕切る障子は、腰高障子(こしたかしょうじ)と呼ばれるもので、障子の下の方に波のような模様が施されているのが、特徴的でした。
さらに襖には、特殊は和紙が使われていて、そこに描かれた無数の桐の絵が、紙の劣化によって浮き上がるようになっています。まるで、最初から桐の絵を貼り付けて立体的に見せているようでしたよ。
書院でガイドの方の解説を受けた後は、中庭の散策。
下の写真の右側に写っている建物が書院で、その奥にあるのが茶室「頤神室(いしんしつ)」です。
縁側でスリッパを履き、茶室に向かいます。
茶室は、慈照院第7世の昕叔懸啅(きんしゅくけんたく)と茶人の千宗旦の合作とのこと。
茶室には、千宗旦に化けた宗旦狐の掛け軸がかかっており、持仏堂には、布袋尊像が安置されています。
布袋尊像の首は、千利休の首とすげ替えることができるようになっているそうです。
千利休が豊臣秀吉に切腹させられたことから、当時は世間体をはばかり、公然と利休の像を祀ることはできなかったため、このような造りになっていたということです。
中庭には、胡蝶侘助(こちょうわびすけ)の椿も植えられていましたが、花はまだ1輪だけ咲き始めた状況でした。
一通り、お寺の中を見たので、外に出ることに。
受付近くにあった花頭窓から陸船松を見て、慈照院を後にしました。
なお、慈照院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。