9月19日。
京都市左京区の本妙寺に参拝しました。
本妙寺は、義士の寺とも呼ばれており、墓地に赤穂浪士のお墓があります。
彼岸が近いのでお墓参り。
というわけではなく、この時期になると本堂の前で萩が咲くことから、それを見るために訪れてきました。
まだ見ごろ前の萩
本妙寺は、地下鉄の東山駅から東大路通を北に約5分歩き、仁王門通を東に曲がってすぐの場所に建っています。
山門の前に到着。
小さなお寺で、観光で訪れる人はほとんどいません。
外からでも、参拝者がいないことがわかります。

山門
山門をくぐった正面に屋根が個性的な重層造の本堂が建っているので、お参りをしましょう。

本堂
この付近は、日蓮宗のお寺が多く建ち並んでいますが、本妙寺も日蓮宗妙覚寺派のお寺です。
本堂の前には、人の背よりも高く育った萩が、無数の枝を四方八方にタコのように伸ばしていますね。
枝は、先の方に赤色の小さな花がたくさん付いていたり、葉だけの状態だったりまちまち。
萩はまだ見ごろ前でした。

本堂前の萩
本堂と一緒に萩を見上げると、空に鱗雲が浮かんでいるのが見えました。
ようやく秋の到来を感じられる空になって来ましたね。
気温もこの日から下がり、夏の暑さも過ぎたようです。
向きを変え山門を背に萩を観賞。

萩と山門
かたまって花が咲いている枝もありますが、咲き始めたばかりの枝が多く見ごろはこれからといった感じ。
参拝する時期が早かったですね。
それでも、枝先を中心に赤色の花が密集している部分もあり、そこだけ切り取って撮影すれば見ごろのようであります。

萩の枝先
こういう写真に騙されないように。
本堂の東側には、矢ッ車留吉碑と刻まれた横幅が1メートル以上ありそうな人の背ほどの石碑が置かれています。
「ッ」が小さく刻まれているので、最初に見た時は矢車留吉かと思ったものです。

矢ッ車留吉碑
ネットで軽く調べると、矢ッ車留吉は、幕末から明治にかけての侠客で、本妙寺で葬儀が行われたそうです。
葬儀が行われたくらいで、このような石碑が建立されることはないでしょうから、何かしらの功績を残している人物と見受けられますが、詳しい事績は知りません。
境内の南東角に建つ宝物館付近の萩は、本堂前よりも開花が遅れており、白色の花がちらほらと枝先についている程度でした。

白色の萩
今年の夏は猛暑で9月に入っても気温が下がって来なかったので、京都では萩の開花が遅れ気味。
本妙寺も例外ではなさそうです。
秋らしい気候に変わったから、すぐに花を咲かせろと言っても無理な話です。
人はただ、花が咲くのを待つことしかできません。
鐘楼の釣り鐘は、微動だにせず沈黙を保ち、境内の静けさを強調しているかのよう。

釣り鐘
本堂の西側では、クチナシがまだ花を咲かせていましたが、しおれてきているのでそろそろ終わりが近づいているようです。

クチナシ
9月に入ってもクチナシの花を見られるとは思いませんでしたよ。
クチナシの近くには、とんがり帽子の灯籠と円形のつくばい。

蹲と灯籠
このような灯籠とつくばいは、茶室の入り口に置かれていそうですね。
つくばい近くの石は、無造作に置かれているように見えますが、意味を持たせた配置になっているのかもしれません。
そろそろ本妙寺から出ましょう。
本妙寺の萩は、まだ咲き始めたばかりで、見ごろを迎えるのは9月末頃になりそうです。
10月に入ってから参拝しても、きれいに咲いた萩を見られそうですよ。
なお、本妙寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。