初秋に参拝した六道珍皇寺・2025年

9月上旬に京都市東山区の六波羅蜜寺に参拝した後、北東に約3分歩き、六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)にも参拝しました。

六道珍皇寺は、お盆の時期に多くの参拝者が訪れますが、それ以外の時期は人が少なく閑散としています。

海外からお越しの方を見ることも少なく、観光客でにぎわう東山にあるお寺にしては珍しいですね。

快晴の下の境内

六道珍皇寺には、京阪電車の清水五条駅から北東に約8分歩くと到着します。

六道珍皇寺に向かう松原通は、清水寺の参詣道です。

今でも昭和の面影を残すお店がいくつも並んでおり、昔懐かしい雰囲気を感じさせます。

とは言え、中には観光客のためのレンタルきもの屋さんもあり、昨今の京都ブームが垣間見られます。

六道珍皇寺の入り口に建つ赤門前に到着。

赤門

赤門

赤門の左手前には、六道の辻と刻まれた石碑が置かれていますよ。

かつて、この辺りは、この世とあの世の境界とされ、近くには三大葬送地の鳥辺野もありました。

六道珍皇寺は、冥土への入り口なんですね。

赤門をくぐって境内へ。

正午を過ぎ、気温がぐんぐんと上がっていきます。

境内の建物の屋根瓦も日差しを浴びて非常に熱そうです。

境内

境内

参道を北に進み、途中で右を向くと、閻魔・篁堂(えんま・たかむらどう)が建っています。

堂内には、閻魔大王と小野篁(おののたかむら)の像が祀られていますよ。

閻魔・篁堂

閻魔・篁堂

閻魔大王は、あの地獄の閻魔さまです。

そして、小野篁は、夜な夜な地獄の閻魔さまに会いに行っていたと伝えられている平安時代の公卿です。

普段は戸が閉まっているので小窓から中を覗き見ることしかできません。

小窓の向こうには怖い顔をした閻魔さまがいらっしゃいます。

戸が開いているよりも、視界が制限される小窓から窺い見る方が閻魔さまの顔が怖く見えるのが不思議です。

閻魔・篁堂の北側には、迎え鐘が吊るされた鐘楼。

迎え鐘

迎え鐘

お盆の時には、先祖の霊を迎えるために大勢の参拝者が撞きに来ますが、その他の時期に撞く人は少なめです。

そもそも鐘を撞いて良いのかという話ですが、参拝者は迎え鐘を撞かせてもらえます。

私も、お賽銭を入れ、中央の穴から縄を外に出し、力強く引っ張って迎え鐘を撞きました。

ゴーンと無人の境内に響き渡ります。

冥土まで届くと伝えられている迎鐘ですから、その音は東山中に円を描くように広がっていったことでしょう。

お地蔵さまを拝む

迎鐘を撞いた後は、境内の北側へ。

午前中の曇り空から一変し、頭上には青空が広がります。

薄っすらと雲がかかっていますが、真夏のような膨らんだ雲ではなく、初秋の空といった感じです。

でも、気温は30度を超え真夏なんですけどね。

本堂の前

本堂の前

境内の北側に建つ本堂にお参りをしましょう。

本堂

本堂

本尊は薬師如来坐像で、こちらも小窓から拝むことができますよ。

本堂にお参りを済ませた後は、境内の西側へ。

こちらには、たくさんの石仏が並んでいます。

石仏

石仏

石仏の上には屋根があるのですが、透き通る素材のため、石仏全体が明るい色に見えます。

赤色、黄色、青色の前掛けも明るく見える理由かもしれません。

石仏の中央に立っている大きなお地蔵さまは、大石地蔵尊です。

大石地蔵尊

大石地蔵尊

その昔、遺骸が散在する鳥辺山に弘法大師空海が一夜にして刻んだとされています。

空海は、同じ葬送地の化野(あだしの)でもお地蔵さまを祀ったと伝えられていますね。

大石地蔵尊から南に少し歩くと水子地蔵尊も祀られています。

水子地蔵尊

水子地蔵尊

流産した子や産まれてすぐになくなった子を供養してくれるお地蔵さまです。

周囲には、小さなお地蔵さまが無数に並べられています。

こちらは、心願成就の絵馬。

心願成就の絵馬

心願成就の絵馬

中央に描かれているのは小野篁です。

弓を持って立つ姿が武人のように見えますね。

絵馬は多く奉納されており、意外に感じました。

普段から人が少ない六道珍皇寺ですが、参拝した際に絵馬を奉納する方は多いのかもしれません。

そろそろ六道珍皇寺から出ましょう。

まだまだ暑い京都で閻魔さまの怖い顔を見たら涼しくなるかと思いましたが、汗がひくことはありませんでした。

なお、六道珍皇寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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