8月下旬に京都市下京区の本覚寺にサルスベリを見に行った後、近くに建つ上徳寺に参拝しました。
上徳寺は、世継地蔵で有名なお寺で、地元だけでなく遠くからも子宝祈願に参拝する人がいるほど信仰を集めています。
普段は静かなお寺で、境内で他の参拝者と出会うことはほとんどないですね。
無人の境内
上徳寺には、京阪電車の清水五条駅から西に徒歩約5分で到着します。
地下鉄の五条駅からだと東に徒歩約7分です。
富小路通に面する山門。
上徳寺は、慶長8年(1603年)に徳川家康によって、側室の阿茶の局(上徳院殿)が開基となり、伝誉蘇生(でんよそせい)上人を開山に招いて建立された寺といわれています。
山門の前には、ここが、阿茶の局の墓所であることを示す石柱が立っています。
山門をくぐって境内に入ると正面に本堂が建っています。
晩夏の青空が澄んできれいですね。
この本堂は、宝暦3年(1753年)に建立された永観堂の祖師堂を移築したもので、堂内には、江州矢橋(やばせ)の鞭崎八幡宮(むちさきはちまんぐう)から移した阿弥陀如来像が安置されています。
本堂の左側の石畳を歩いていき、境内の奥にやって来ると地蔵堂が建っています。
この地蔵堂の中に高さ約2メートルの世継地蔵が祀られています。
それでは、お参りをしましょう。
初めて世継地蔵を拝んだ方は、その背の高さに驚くのではないでしょうか。
お地蔵さまと言えば、人の膝から腰の高さが一般的ですからね。
地蔵堂の近くには、お参りに来た人が結んだおみくじがいっぱいありました。
地蔵堂の裏側には、水子地蔵尊がいらっしゃいます。
上徳寺には、他にも、歓喜地蔵(かんぎじぞう)、身代り地蔵、はがため地蔵など、多くのお地蔵さまがいらっしゃいますよ。
地蔵堂には、よだれ掛け絵馬がたくさん掛かっており、良い世継ぎを授かれるようにと多くの参拝者が訪れていることがわかります。
こちらは、数とり竹。
お堂のまわりを祈念しつつ回るとき、「かず」を数える竹です。
3回や吉数、歳の数の竹を持って、一心に祈念しながらお堂を左より回ります。
この日も、いつもながら、境内には人がいませんでした。
無人のお寺は、気持ちが落ち着きます。
山門の近くには、堀内雲鼓(ほりうちうんこ)の句碑が置かれています。
堀内雲鼓は、江戸時代中期の俳人で、冠句の唱導者です。
冠句は俳句と同じように「五・七・五」の17音の句ですが、俳句と違って、冠題として上五文字が決まっており、付け句の中七と下五の12文字で表現します。
句碑には、以下の句が刻まれています。
日のめぐみ うれしからずや 夏木立
境内にある墓地には、堀内雲鼓のお墓もあります。
そろそろ上徳寺から出ましょう。
夏の終わりに静かにお地蔵さまにお参りできました。
この後は、仏光寺にサルスベリを見に行きます。
なお、上徳寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。