7月13日に八坂神社に長刀鉾稚児社参を見に行った後、四条通を西に歩き四条烏丸に向かいました。
四条烏丸では、7月10日に祇園祭の前祭(さきまつり)の鉾建てが、そして11日に山建てが行われました。
17日の山鉾巡行まで、四条烏丸周辺では、前祭の山鉾を見ることができます。
大船鉾の龍頭
四条烏丸に行くには、地下鉄の四条駅、または阪急電車の烏丸駅で下車するのが便利です。
四条烏丸の大丸の前では、大船鉾の龍頭(りゅうとう)が展示されていました。
大船鉾は、24日の後祭の山鉾巡行で一番最後に登場する鉾です。
元治元年(1864年)の蛤御門(はまぐりごもん)の変で焼失してから、150年間復元されなかったのですが、2014年に復活しました。
上の写真の龍頭は、大船鉾の舳先に飾られるものですが、大金幣(だいきんぺい)と交互に飾られるので2年に1回しか見ることができません。
1800年頃に松村呉春の下絵を元に作製された龍頭ですが、先ほど述べたように蛤御門の変で焼失しています。
龍頭が復元されたのは、2016年のことで、東山の瀧尾神社の寄進によります。
2020年の復興事業で、かつての姿と同様に漆箔が施され、現在の姿となりました。
まばゆいばかりの金色の龍頭を間近に見ることができましたよ。
長刀鉾
大丸から、さらに西に歩くと、東横イン京都四条烏丸の近くに長刀鉾が現れます。
長刀鉾は、鉾頭に長刀が設置されています。
元は、三条小鍛冶宗近作の大長刀でしたが、現在は竹製です。
前祭の山鉾巡行の際は、くじ取らずで巡行の先頭をつとめます。
間近で見る装飾が見事であります。
立ち止まってじっくり見たくなりますが、警備員の方が立ち止まらないようにと注意していたので、歩きながらの鑑賞です。
山や鉾では、厄除のちまきも授与していますよ。
函谷鉾
四条烏丸の交差点を西に渡った先に建つのは、函谷鉾(かんこほこ)です。
こちらも、長刀鉾と同じように高さがあります。
見上げると、雲の間から青空が顔をのぞかせていました。
函谷鉾は、斉の孟嘗君が、難所の函谷関を鶏の鳴き真似により脱出した中国の故事にちなんだ鉾です。
まっすぐ天に伸びた真木の中ほどに孟嘗君が据えられ、その下に鶏も据えられています。
函谷鉾は、天保10年(1839年)に初めて稚児人形を考案しています。
稚児人形の名は、嘉多丸君です。
月鉾
函谷鉾から少し西に歩くと、四条通の南側に月鉾が建っています。
月鉾の鉾頭には三日月がついています。
そして、真木には月読命(つくよみのみこと)が祀られています。
月鉾の扇子や手ぬぐいなどの記念品は、毎年違った意匠になっていますよ。
提灯には、「月」の文字が書かれています。
菊水鉾
四条通から室町通を北に曲がると、こちらも大きな菊水鉾が建っています。
菊水鉾は、町内に古くからあった菊水の井にちなむ鉾です。
13日から16日まで、菊水鉾茶会が催され、表千家、裏千家、遠州流の3流派によるお茶の奉仕がありますよ。
菊水鉾も、蛤御門の変で多くを焼失し、一時は再建を諦めました。
それでも、後に再建されることとなりましたが、その時には町内のお囃子が全く伝承されていませんでした。
そこで、兄弟鉾のよしみから、月鉾の囃子方が菊水鉾に移りました。
そのため、菊水鉾のお囃子は月鉾と基本的に同じですが、昭和39年(1964年)以降、菊水鉾に伝わる古い鉦の譜本をもとに復曲、新作した曲が6曲あります。
狭い室町通に建つ菊水鉾は、間近で装飾を見ることができますよ。
他にも、多くの山や鉾が建っていましたが、そろそろ綾戸國中神社参拝を見るために八坂神社に戻ります。