京都市東山区の知恩院は、三門や御影堂(みえいどう)など、大きな建物がたくさん建っています。
知恩院参拝の魅力は、それら大きな建物を見ることにあると言っても良いですね。
また、知恩院には、友禅苑と方丈庭園の2つの庭園もあり、こちらも拝観しておきたいです。
今回は、2つの庭園のうち、方丈庭園を紹介します。
築山林泉庭
知恩院には、地下鉄の東山駅から南に7分ほど歩くと到着します。
京阪電車だと祇園四条駅から東に徒歩約7分です。
知恩院の大きな三門の南側に拝観受付があるので、こちらで拝観券を購入します。
拝観券は、方丈庭園だけのものの他に友禅苑との共通拝観券もあり、共通拝観券を購入するのがおすすめです。
ちなみに友禅苑は春の枝垂れ桜がきれいですよ。
女坂を上り、御影堂に上がって渡り廊下を歩き、方丈庭園の入り口に向かいます。
知恩院の方丈には、大方丈と小方丈があります。
大方丈は、寛永18年(1641年)に建立されました。
書院風建築で、内部には、狩野尚信や信政など狩野派の絵師たちによる襖絵がありますが、普段は中に入ることができないので見ることができません。
方丈庭園は、大方丈とその南に建つ小方丈の東側に細長く池が配されています。
東山の裾に沿うように造営された方丈庭園は、東山を築山に見立てた築山林泉庭です。
池の護岸には、大きな石が置かれ、大方丈の雄大さに負けない力強さを感じさせてくれます。
また、池の東側には多くの木々があり、林泉というにふさわしい景観になっています。
知恩院の方丈庭園は、寛永18年に片桐石見守が奉行となり、妙蓮寺の僧玉淵坊が量阿弥とともに参画したとされています。
知恩院の説明書によると、玉淵は、江戸時代初期に活躍した石立僧で、二条城の二の丸庭園などを造った小堀遠州とも関係が深く、桂離宮の作庭にも関わったとされています。
こちらは小方丈です。
池には、苔むした石橋も架かっています。
小方丈の近くにある二十五菩薩の庭。
知恩院の説明書によれば、この庭は、知恩院所有の国宝「阿弥陀如来二十五菩薩来迎図」を基にしたもので、臨終のときに念仏を称えれば、阿弥陀如来と二十五菩薩が浄土へ迎えてくれる様子を表現したものだそうです。
庭に配置されている石は、阿弥陀如来と二十五菩薩で、植え込みが来迎雲を表しています。
東山を上っていくと、途中に山亭があります。
山亭は、霊元天皇の第十皇女浄林院宮吉子内親王の御殿を本地堂の客殿として、宝暦9年(1759年)に移築したものです。
山亭庭園の西側からは、京都市中心部の街並みを一望できますよ。
知恩院の方丈庭園は、令和3年(2021年)3月26日に国指定名勝に登録されています。
知恩院に参拝した際は、大方丈と小方丈とともにぜひ方丈庭園を鑑賞してください。
なお、知恩院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。