京都市右京区の龍安寺と言えば、虎の子渡しの庭と呼ばれる石庭が有名です。
龍安寺の参拝は、この石庭を見ることが第一の目的という人も多いことでしょう。
石庭を見ずに龍安寺を去るのは非常にもったいないです。
石庭の他に龍安寺には、鏡容池(きょうようち)と呼ばれる大きな池を中心とした庭園もあります。
今回の記事では、龍安寺の鏡容池庭園を紹介します。
徳大寺家が築いた鏡容池
龍安寺の最寄り駅は、京福電車の龍安寺駅で、駅から北に7分ほど歩くと龍安寺に到着します。
市バスだと、「龍安寺前」で下車してすぐです。
参道を北に歩いて行くと受付があるので、ここで拝観料を納めます。
そして、近くの山門をくぐった左手に鏡容池があります。
龍安寺を訪れたときは、まず、石庭を拝観し、その後に鏡容池庭園を見て歩きます。
龍安寺が建つ地は、もともと徳大寺家の別荘があった場所で、宝暦2年(1450年)に室町幕府の管領(かんれい)の細川勝元が譲り受け寺としました。
細川勝元と言えば、応仁の乱(1467年)で有名ですね。
徳大寺家がこの地に別荘を構えたのは鎌倉時代ということですから、鏡容池もその頃に造られたのでしょう。
鏡容池の周りには、多くの木々が植えられており、春から夏にかけては、池のほとりが緑色でいっぱいになります。

鏡容池
また、初夏からは、水面もスイレンの葉で覆われ、紫色や白色の花もたくさん浮かぶように咲きます。

スイレン
鏡容池は、かつて、おしどりが群れ遊んだことから、おしどり池とも呼ばれていますよ。
鏡容池には、3つの島があり、真ん中にある弁天島に渡ることができます。
弁天島には、開運の弁財天が祀られていますので、運が開けるように祈願しておきたいですね。

弁財天
弁天島は、池のほぼ中心にあり、東と西の景色を見渡すことができます。
下の写真は、弁天島から東を見たものです。

弁天島から見る鏡湖池
春の桜や秋の紅葉も美しい
さて、鏡容池のほとりには、何本か桜が植えられています。
春に満開の桜と一緒に眺める鏡容池も美しいですね。

春の鏡容池
龍安寺の北側には、西から住吉山、西源嶽、大内山、朱山、妙見嶽、大北山、衣笠山の山々が連なっています。
春は、その山々に咲く桜や新緑もきれいです。
また、秋には、鏡容池のほとりのカエデが色づき、紅葉した風景を楽しむこともできます。

秋の鏡容池
広大な鏡容池と一緒に見る紅葉は、しみじみとした趣がありますが、深くもの悲しい景色とはちょっと違います。
龍安寺庭園と言えば、通常は、鏡容池庭園を指します。
石庭が、人工的な造形美を感じられるのに対して、鏡容池庭園は、自然が織りなす四季の風情を感じられます。
石庭の拝観後は、鏡容池庭園の周りをゆっくりと歩きながら、北の山々と一緒に自然の美しさを楽しみたいですね。
なお、龍安寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。