仁和寺の庭園から望む五重塔には気品がある

京都市内には、五重塔が4つあります。

どの五重塔も見ごたえがありますが、最も気品を感じられるのは、右京区の仁和寺(にんなじ)に建つ五重塔ではないでしょうか。

間近だと他の五重塔と同じように見えますが、御殿から北庭越しに見ると、平安時代の貴族になったような風雅な気分に浸れます。

白川砂が敷き詰められた簡素な南庭

仁和寺の最寄り駅は、京福電車の御室仁和寺駅です。

駅からは、北に3分ほど歩けば、仁和寺の大きな二王門の前に到着します。

市バスだと「御室仁和寺」からすぐです。

二王門をくぐって左手に御殿の拝観受付があります。

仁和寺は、春を除いて、境内に入るだけなら無料ですが、御殿の拝観には800円が必要です。

ちなみに高校生以下だと無料で御殿を拝観できますから、修学旅行で京都を訪れたときには、仁和寺の御殿を拝観することをおすすめします。

仁和寺は、代々、皇子皇孫が住職を務めてきた門跡寺院(もんぜきじいん)です。

そのため、御室御所(おむろごしょ)とも呼ばれていました。

御殿は、歴代の門跡の住居で、宸殿(しんでん)、白書院、黒書院などの建物からなります。

本坊表門をくぐり、大玄関で靴を脱いで御殿の中に入り、最初に見るのが、白書院の東側に広がる南庭です。

白書院から見る南庭

白書院から見る南庭

白川砂が敷き詰められた簡素な庭園ですが、とても広いです。

晴れた日には、白川砂に光が反射し、松やコケの緑がより青々として見えます。

落ち着きのある庭なので、縁側に座って、いつまでものんびりと眺めていたくなりますね。

白書院から北の宸殿に向かって、御殿回廊を歩きます。

御殿回廊

御殿回廊

そして、宸殿の南側の縁側にやってきました。

宸殿の縁側と勅使門

宸殿の縁側と勅使門

ここからだと、東側の勅使門や来るときにくぐった二王門を見ることができますよ。

北庭から眺める五重塔

宸殿の東側の縁側にやって来ると、北の方角に大きな池があり、その奥の木々の向こうに五重塔が見えます。

宸殿の縁側と北庭

宸殿の縁側と北庭

宸殿は、御殿の中で最も重要な建物。

だから、このように美しい庭園と五重塔が見られるように設計されたのかもしれませんね。

写真だと五重塔が小さく見えますが、実際に宸殿から眺めると背が高く見えますよ。

宸殿の北側に広がる北庭は、石橋のある池と白砂敷の白洲からなります。

北庭の池と五重塔

北庭の池と五重塔

池と五重塔の間に見える建物は、茶室の飛濤亭(ひとうてい)です。

飛濤亭は、北庭の北東にありますが、北西にも、遼廓亭(りょうかくてい)という茶室があります。

北庭は、南庭とは異なり、飛濤亭の露地と滝口からの水が池に流れ込む池泉式となっています。

池の奥に見える飛濤亭

池の奥に見える飛濤亭

池の奥に見える飛濤亭が木々の緑の葉に埋もれるように見えるのも、風情を感じます。

宸殿の西側には黒書院が建ち、そこから北の霊明殿に続く廊下から東向きに北庭を見ると、まるで砂浜に御殿が建っているかのような景観が広がります。

砂浜のように広がる白砂

砂浜のように広がる白砂

池と白砂の間が、曲線になっているので、波打ち際のように見えます。

御殿の拝観を終えたら、五重塔の近くに行って見上げてみましょう。

上半分しか見ることができなかった御殿からの眺めと比較すると、とても背が高く感じるはずです。

仁和寺の五重塔は、間近で見るのも良いですが、御殿から北庭越しに眺めるのが格別です。

仁和寺に参拝した時は、ぜひ御殿も拝観し、北庭と一緒に五重塔を鑑賞してください。

なお、仁和寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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