神社にお参りに行くと目にする狛犬は、多くの場合、石造りです。
でも、岡山県の神社には、備前焼の狛犬がよくあるそうです。
岡山県備前市は、備前焼の特産地なので、狛犬も備前焼でできていることが多いのでしょうね。
京都市内でも、備前焼の狛犬をたまに見かけることがあります。
東山区の妙見堂の鳥居の前にいる狛犬も備前焼ですね。
京都で最も古い備前焼の狛犬
妙見堂には、京阪電車の清水五条駅から東に15分ほど歩くと到着します。
妙見堂にいたる途中、南側は墓地になっており、たくさんのお墓が並んでいるので夜にはあまり通りたくないところです。
妙見堂の入り口に建つ鳥居をくぐって境内に入ると、もうひとつ鳥居が現れます。
その2つ目の鳥居の前に備前焼の狛犬が鎮座しています。
それが、下の写真に写っている狛犬です。
確かに赤銅色の狛犬であります。
妙見堂の備前焼の狛犬は、安政2年(1855年)に作られたものです。
銘文には、寄進者が岡山の兒嶋屋善介と竹屋伴蔵の2人であることが記されています。
以前に紹介した書籍の「京都知られざる歴史探検」の上巻によれば、妙見堂の備前焼の狛犬は京都市内で最も古いそうです。
ちなみに京都市内には、確認できているだけで、7対の備前焼の狛犬がいるそうです。
八坂神社の南楼門前に鎮座する網に入った狛犬も備前焼ですね。
備前焼の狛犬は、明治以降に大量生産されるようになったそうですから、江戸時代に作られた妙見堂の備前焼の狛犬は貴重なものだと言えます。
東山の妙見堂は、ここから西に5分ほど歩いた辺りに建つ通妙寺の別所で、鳥辺野(とりべの)の妙見と呼ばれ親しまれています。
境内には、舞台造の絵馬堂があり、参拝した時には、ここから周辺を眺めておきたいですね。
他に南北朝時代の十三重石塔や持病平癒のご利益があると伝わる秋山自雲居士(しゅうざんじうんこじ)のお墓もあります。
春は桜もきれいですから、清水寺に参拝に行く途中に立ち寄りたいところです。
妙見堂と同じ備前焼でできた狛犬の中でも、変わった姿をしているのが左京区の吉田山に建つ宗忠神社の狛犬です。
こちらの狛犬は、なんと逆立ちをしています。
宗忠神社に参拝した時には、この狛犬も見ておきたいですね。
京都には、変わった姿をした狛犬がいろんな神社にいますから、ぜひ探してください。
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