11月下旬。
京都市左京区の天授庵の夜間拝観に行ってきました。
天授庵は、南禅寺の塔頭(たっちゅう)で、書院南庭と本堂前庭に多くのカエデが植えられており、秋になると見事な紅葉を観賞できます。
過去に天授庵の紅葉を見たことはありますが、ライトアップされた庭園を鑑賞するのは今回が初めてであります。
書院南庭の紅葉
天授庵は、地下鉄蹴上駅から北東に6分ほど歩いた辺りに建っています。
暗くなった南禅寺の参道を進み、天授庵の前にやって来ると長蛇の列ができていました。
どれくらいの人が並んでいるでしょうか。
300人なのか400人なのか、とにかく拝観を待つ人でいっぱいです。
私が天授庵の拝観を待つ列に並んだのは、午後7時前。
そして、約20分待ち拝観できることになりました。
1時間くらいかかるんじゃないかと思っていたので、20分くらいなら早く感じますね。
天授庵のライトアップの拝観料は600円です。
拝観受付で拝観料を納め、書院の中に入ります。
日中の拝観は、庭園を散策するようになっているのですが、夜間拝観時は普段入ることができない書院と本堂の中から庭園を鑑賞できます。
書院に入り、東側の部屋へ。
ここにはほとんど人がいません。
でも、南庭に面した部屋には大勢の拝観者の方がおり、皆さん、見ごろを迎えた紅葉がライトで照らされた姿に見入っていました。
誰もが、カメラを構え、美しく照らし出された紅葉を撮影しています。
書院南庭は、中央に池があるのですが、夜はほとんど見えません。
それでも、波打つ白砂とともに眺める紅葉は、日中の拝観時では見れないので貴重な光景です。
本堂前庭の紅葉
書院の次は廊下を東に進み本堂へ向かいます。
本堂前庭は、東庭とも呼ばれており、前面に白砂が敷き詰められ、背の低い松が植えられています。
そして、背後を壁のように多くのカエデが植わっています。
そのカエデは、真っ赤に紅葉し見ごろとなっていました。
天授庵のカエデは他の紅葉の名所よりも、鮮やかな赤色に色付き、とてもきれいです。
モミジはライトアップされると、茶色っぽく見えやすいのですが、天授庵の本堂前庭の紅葉は夜でも真っ赤。
普段は非公開の本堂の襖絵も鑑賞できますよ。
長谷川等伯筆の襖絵は、重要文化財に指定されている貴重なものです。
紅葉の美しさに目が行ってしまいますが、本堂襖絵もしっかりと見ておきたいですね。
本堂の中から眺める紅葉のライトアップも格別です。
天授庵の本堂前庭の紅葉は、毎年見ごろを迎えるのが早めで、今年も11月10日頃には見ごろに入っていたそうです。
そのため、11月下旬だとモミジが散ってしまっているのではないかと思ったのですが、そのようなことはなく見ごろを維持していました。
もしかすると、私が訪れた夜が最も美しい紅葉だったかもしれません。
この夜は満月で、空に浮かぶ真ん丸のお月さまと一緒に見る紅葉も風情がありましたよ。
天授庵の紅葉のライトアップを十分に楽しんだので、そろそろ外に出ることに。
本堂北側の廊下から眺める紅葉も見事でした。
午後7時40分過ぎに天授庵を出たのですが、拝観を待つ列はとても少なくなっていました。
夜間拝観の受付は午後5時30分から午後8時30分までですが、遅めに訪れた方が並ばずに拝観できますよ。
なお、天授庵の詳細については以下のページを参考にしてみてください。