3月上旬に京都市上京区に建つ林光院に参拝しました。
林光院は、相国寺の塔頭(たっちゅう)で、通常は非公開のお寺なのですが、「京の冬の旅」で初公開されることになりました。
林光院の前は何度も通ったことがありますが、中に入るのはもちろん今回が初めてであります。
藤井湧泉氏の障壁画
地下鉄今出川駅から東に5分ほど歩いて、相国寺の境内に入ります。
林光寺は、相国寺境内の東端にあるので、さらに3分ほど歩きます。
林光寺の入り口にやって来ると、京の冬の旅の特別公開の案内が出ています。
山門をくぐって拝観受付に進みます。
拝観料は600円です。
山門と玄関の前には大きな石が置かれていました。
このような巨大な石をどこから持ってきたのでしょうか。
玄関で靴を脱ぎ建物の中に入ります。
林光院は、建物内も庭園も写真撮影禁止です。
なので、ここからは文章のみで特別公開の内容を紹介していきます。
林光院は、室町幕府4代将軍足利義持の弟の義嗣の菩提を弔うために創建された寺院です。
創建当初は、二条西ノ京の紀貫之の邸宅跡と伝わる地にあったのですが、安土桃山時代に豊臣秀吉の命により相国寺境内に移されました。
明治になって荒廃しますが、大正時代に相国寺派管長の橋本獨山(はしもとどくさん)が再興し現在にいたります。
建物内には、画家の藤井湧泉(ふじいゆうせん)氏が平成29年(2017年)に完成させた障壁画があります。
牡丹図、梅図、松図、龍虎図とあり、完成に4年の歳月を費やしたのだとか。
松図は、8枚の襖に描かれた壮大な障壁画でありながら、松の葉1本1本まで細かく筆を走らせて丁寧に制作されているのがわかります。
松の幹の部分も、触れると皮が剥がれ落ちるのではないかと思えるような現実感がありますよ。
障壁画の中では、龍虎図の虎の絵が人気です。
このページの最初の写真に写っている特別公開の案内に描かれている丸まった虎がそれですね。
ネコが寝ているのかと思ったら虎でした。
この虎の絵も、毛の1本1本まで細かく画かれており、本物のネコのような、ふわっとした毛並みが見事でしたよ。
本堂には、地蔵菩薩が祀られているのでお参りをしておきましょう。
2分咲きの鴬宿梅
林光院のもうひとつの見どころは、書院南庭に植えられている鴬宿梅(おうしゅくばい)です。
見ごろ時期は3月上旬から中旬ということでしたが、私が訪れた日はまだ2分咲き程度でした。
鴬宿梅は、花弁が36枚もあり、真紅、淡い赤色、白色と花の色が変化する珍しい梅です。
平安時代に村上天皇の命により紀貫之の娘の屋敷の梅が御所に移植されましたが、「勅なればいともかしこし鴬の 宿はととはばいかがこたえん」と、別れを惜しむ娘の歌が添えられていたのを見て、心打たれた天皇が梅を返したという話が伝わっています。
鴬宿梅は、紀貫之の邸宅跡から相国寺境内に林光院が移転するとともに移ってきており、接ぎ木などによる代替わりを繰り返しながら現在にいたっています。
書院南庭の鴬宿梅は写真撮影できませんが、山門脇に植えられている鴬宿梅の孫の木は写真撮影が許可されています。
こちらもまだ2分咲き程度でした。
咲き始めの真っ赤な花。
白い花も混ざっていましたよ。
こちらは白梅です。
白梅は鴬宿梅よりも咲き進んでいましたが、それでも3分咲き程度でした。
林光院の特別公開は、3月18日までです。
3月15日以降だと、鴬宿梅も見ごろを迎えていそうですよ。
また、林光院を出てすぐの場所に蛤御門(はまぐりごもん)の変と鳥羽伏見の戦いで戦死した薩摩藩士の墓地がありますから、帰りにお参りしておきましょう。
なお、林光院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。