京都市左京区の下鴨神社は、世界遺産に登録されている神社とあって、境内には見るものがたくさんあります。
歴史的価値のある社殿はもちろんのこと、自然林の糺(ただす)の森の中を歩くこともでき、京都に旅行や観光で訪れた時には、一度は参拝しておきたい神社です。
そんな下鴨神社の境内には、とんがり帽子のような形をした1本の松が植えられています。
この松は、媛小松と呼ばれています。
玉依媛命の名にちなむ松
下鴨神社の最寄り駅は、京阪電車の出町柳駅です。
駅からは、高野川と鴨川に挟まれた道を北に5分ほど歩くと参道の入り口に到着します。
糺の森の中の長い参道を進み、朱色の楼門をくぐります。
そして、左前に目をやると、きれいに手入れされた媛小松が見えます。
葵祭と御蔭祭(みかげまつり)の際に奉される日本最古の歌舞の東游(あずまあそび)の中にこの媛小松が登場します。
媛小松が登場するのは、歌の二段目の「求め子」で、「鴨の社のひめこ松」とうたわれています。
媛小松の説明書には、藤原敏行の歌も掲載されていました。
ちはやぶる 鴨の社のひめこ松
よろずよふとも 色はかわらじ
媛小松に「媛」の文字が使われているのは、下鴨神社の祭神の玉依媛命(たまよりひめのみこと)の名にちなんだものだとか。
玉依媛命が、川から流れてきた丹塗りの矢を持ち帰ったらすぐに懐妊したと伝えられていることから、下鴨神社は安産のご利益を授けてくれると信仰されています。
なので、安産祈願をお考えの方は下鴨神社に参拝すると、ご利益を授かれそうですね。
ちなみに下鴨神社だけでなく、京都には安産のご利益を授けてくれる神社がたくさんありますよ。
媛小松が植えられている辺りから楼門を眺めると、奥に糺の森が見えるため、神々が宿る森林の中に建てられた神社という雰囲気を感じさせてくれます。
京都市内でも、山の方に建つ神社なら同じような雰囲気を味わえますが、繁華街から近い神社だと、なかなかこのような景色を見れるところはないですね。
こういったところも下鴨神社の魅力のひとつであります。
下鴨神社は、世界遺産に登録されてはいますが、参拝者はそれほど多くありません。
参拝者が多い時もありますが、糺の森や境内が広いため、混雑することは滅多にないですね。
下鴨神社に参拝した時は、媛小松も見ておきましょう。
なお、下鴨神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。