京都市北区には、数多くの紅葉の名所があります。
大徳寺や鷹峯は、秋になると紅葉狩りで訪れる旅行者や観光客で賑わいますね。
でも、北区でも、まだまだ人に知られていない紅葉の名所はいくつもあります。
その中でも正伝寺(しょうでんじ)は、訪れる人が少なく、心静かに紅葉を楽しめます。
比叡山を借景にした庭園
私が正伝寺に参拝したのは11月中旬です。
まだ、京都市内の多くの紅葉の名所は見ごろ前なのですが、北区では、そろそろ見ごろに入る時期です。
京都駅から正伝寺に行くには、市バスの西賀茂行きに乗車して、「神光院前」で下車します。
バスに乗っている時間は40分から50分程度でしょうか。
バス停からは、北西に15分ほど歩くと正伝寺の山門前に到着します。
山門脇のカエデが、深い赤色に色づいていました。
山門をくぐり参道へ。
まだ、参道は青葉が多いですね。
玄関に到着したので、鐘を2回打って、お寺の方が受付に来るのを待ちます。
そして、拝観料400円を納めて方丈へ。
受付の近くにノートがあったので、住所と氏名も記入しておきました。
ノートを見ると、前日に参拝された方は5名ほどでした。
当然、名前を記入していない参拝者もたくさんいますから5名だけということはなさそうですが、それでも、正伝寺に訪れる人が少ないことが分かりますね。
方丈へと進むと縁側の前に獅子の児渡し庭園が広がっています。
奥のカエデがあまり色付いていないので、来るのがちょっと早かったかなと思いながら、とりあえず本尊にお参り。
方丈内には、大涅槃図(だいねはんず)があるので、こちらもじっくりと鑑賞しておきましょう。
再び縁側に戻って、庭園を正面に見ると、その奥に真っ赤なモミジが見えました。
見ごろではないですか。
その奥に見える比叡山も美しいです。
しかし、参拝した日はあいにくの曇り空。
それでも、紅葉と比叡山を一緒に眺めることができたので良しとしましょう。
以前、初夏に拝観した時は、小雨が降っていて、ほとんど比叡山が見えませんでしたからね。
それにしても美しい紅葉であります。
獅子の児渡し庭園は、白砂が敷き詰められた枯山水庭園なので、より一層、モミジの赤色が際立ちます。
曇り空でも、とても鮮やかな赤色に見えましたよ。
見上げれば血天井
縁側にのんびりと座りながら庭園を鑑賞し続けます。
私以外の拝観者は2人だけ。
とても静かで野鳥のさえずる声も聞こえましたよ。
心が落ち着いてきたところで何気なく天井を見上げると、血がべったりと付いていました。
正伝寺の縁側の天井が、血天井だったことを忘れていました。
この血天井は、関ヶ原の戦いの前、徳川家康の家臣の鳥居元忠らが、西軍に包囲された伏見城で自決した時の血が付いた床を使用したものです。
それを思い出すと、何となく落ち着かなくなったので、そろそろ正伝寺から出ることに。
正伝寺の玄関から参道を見下ろすと、まずまずカエデの葉が紅葉しているのに気づきました。
鐘楼の近くのカエデは、真っ赤なものもあれば緑色のものもあります。
ちなみに庭園から見えた真っ赤なモミジは、この鐘楼近くに植えられているカエデです。
まだまだ青葉が残っているので、数日後には、さらに真っ赤な紅葉を見れそうですね。
なお、正伝寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。