京都市右京区の嵯峨野に建つ宝筐院(ほうきょういん)。
ここの庭園には多くのカエデが植えられていて、秋には美しい紅葉を見ることができます。
嵯峨野という観光地にありながら、参拝者の数は意外と少なく、秋の行楽シーズンでも、それほど混雑することはありません。
私が紅葉を見るために宝筐院を訪れたのは、色づきの進み具合がどうなのか予測が難しい11月中旬です。
両脇をカエデが囲む参道
宝筐院は、JR嵯峨嵐山駅から北西に15分ほど歩いた辺りに建っています。
近くには清凉寺がありこちらも秋になると美しい紅葉を見せてくれますね。
宝筐院の山門に向かって進んでいくと、その奥に背の高い紅葉した木が1本見えます。
あのモミジを見たら、境内に入らずに素通りすることはできません。
山門をくぐり拝観受付へ。
近くには自動券売機が設置してあります。
そこに500円玉を1枚投入すると拝観券が出てきますので、それを持って庭園への入り口に行くと、拝観案内をいただけます。
庭園に入ると、玄関に黄色い花をたくさん咲かせた菊があります。
まるで何かの動物のような姿をしていますね。
宝筐院と言えば、庭園に入ってすぐの場所から奥へと伸びる参道の両脇に植えられているカエデが有名です。
そのカエデの葉が赤く色づいていたり、オレンジ色に色づいていたりと、様々な姿を見せてくれます。
中には、まだ青葉のカエデもあり、参道の両脇は色とりどりの葉を見ることができました。
地面には苔のじゅうたんが敷き詰められており、その上には、早くもモミジが散っていました。
まだ青葉が残る状況なのにちょっと早いんじゃないですか。
そう言えば、訪れる2日ほど前に雨が降ったので、その影響かもしれません。
参道の脇には真っ赤に色づいたドウダンツツジもありました。
鮮やかに紅葉していますね。
紅葉と言えば、カエデをすぐに思い浮かべますが、上のドウダンツツジや桜の葉も紅葉することを忘れてはいけません。
そして、様々な種類の木々の葉が色づくことで、より一層、紅葉の美しさを感じることができるんですよね。
本堂から見る紅葉
参道を進み本堂に上がります。
本堂の周りにも、たくさんのカエデが植えられており、紅葉の見ごろを迎えているものもいくつかありました。
葉の淵が赤く色づき、中心がまだ緑色から黄色に変化し始めたばかりのモミジは、まるで中心が透けているように見えます。
本堂には十一面千手観世音菩薩立像が祀られています。
しっかりとお参りしておきましょう。
また、その隣には楠木正行(くすのきまさつら)の小さな坐像も安置されており、壁には彼が戦死した四条畷の戦いの絵画も飾られていましたよ。
本堂の縁側から見た庭園。
真っ赤なモミジもあるかと思えば、青葉も残っています。
庭園全体が真っ赤というのも見事ですが、青葉が残る庭園も季節の移ろいを感じることができて良いものです。
本堂内から見た庭園。
左側は見ごろを迎えた紅葉。右側はまだ青葉。
まるで、秋と夏の景色を同時に見ているようです。
本堂の脇から覗くようにして見る紅葉も風情があります。
再び参道に戻り、今度は、本堂と参道と紅葉を一度に見ることに。
まだ、真っ赤ではありませんが、味わい深い紅葉風景です。
参道の裏は紅葉が進んでいました。
見ごろまであと少し。
白色のサザンカの花は、真っ赤なモミジとの対比で見ると、さらにその白さが際立ちます。
宝筐院は、観光客の方がそれほど多くなかったので、じっくりと紅葉狩りができましたよ。