東福寺の涅槃会(ねはんえ)に行った帰りにその塔頭(たっちゅう)である同聚院(どうじゅいん)にもお参りしました。
同聚院は、東福寺の北に建っています。
当初は、お参りをする予定ではなかったのですが、何気なく門の奥に目をやったところ、1本の白梅が見ごろを迎えていたので、それに誘われて、境内に入った次第です。
ただ1本だけの梅の木
下は入口の山門の写真です。
この写真だと、角度が悪くて中の白梅は見えません。
でも、門をくぐると、本堂の前に1本の白梅がきれいに花を咲かせています。
すぐに梅見と行きたいところですが、まずは、本堂にお参りです。
東福寺がある一帯は、平安時代中期に藤原忠平が創建した法性寺(ほっしょうじ)が建っていました。
寛弘3年(1006年)には、藤原道長が40歳にあたって、五大明王を安置する五大堂を建立しています。
法性寺は鎌倉時代になると衰微し、その跡地に九条道家が東福寺を創建しました。
現在の同聚院は、藤原道長が建立した五大堂の遺跡で、五大明王のうちの不動明王座像が祀られています。
この不動明王座像は、本堂にお参りをすると、その姿を拝むことができます。
座像であるのにとても大きく、高さは265cmもあります。
同聚院に祀られている不動明王は、じゅうまん不動と呼ばれています。
「じゅうまん」は、漢字だと「土」の下に「方」を書くのですが、パソコンでは変換できません。
「じゅうまん」は、土地の守護を表す土力(どりき)、または、十万の一族・従者を従えるという意味の十万の2字を1字にしたものといわれ、火除をはじめ除災の霊験があらたかな不動として信仰されているそうです。
本堂へのお参りを済ませ、白梅のもとへ。
空が曇っていたので、写真にすると、雲のせいで白梅がくっきりと見えませんが、花がたくさん咲いていて、とてもきれいでしたよ。
近くに寄ると、一重の真っ白な花が、元気に咲いているのがわかります。
同聚院に植えられている梅の木は、この白梅1本だけです。
1本だけだと物足りないように思いますが、それほど境内が広くないので、存在感は十分にあります。
また、同聚院のような、それほど大きくないお寺の場合は、木々がたくさん植えられているよりも、このように1本だけ、本堂の前に梅の木が植えられている方が風情があります。
秋になると山門近くのカエデが真っ赤に色付くので、その時期に参拝するのも良いですよ。
なお、同聚院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。