名水を求めて向かったのは、京都市上京区の梨木神社(なしのきじんじゃ)です。
ここには、染井(そめい)という名水が湧きだしており、以前にも汲みに行ったことがあります。
京都御苑の東隣にある神社なので、交通の便が良く、ペットボトルさえ持っていれば、気軽に汲みに行けるんですよね。
京都三名水のうち唯一現存している染井
梨木神社の鳥居をくぐり、参道をまっすぐ進むと、神門が現れます。
その神門の左手に手水屋があります。
ちょうど社務所の向かい側ですね。
ここで名水の染井を取水します。
梨木神社に参拝に行くと、必ず誰かが取水しています。
地元の方たちのようで、取水する動作も手慣れたものです。
中には、5リットルくらい入りそうなボトルを5本ほど持ってきている方もいます。
染井は、醒ヶ井(さめがい)、縣井(あがたい)とともに京都三名水のひとつとされています。
醒ヶ井は下京区の西本願寺付近、縣井は京都御苑内にありますが、いずれも枯れてしまい、現存しているのは、染井だけです。
梨木神社は、平安時代前期、清和天皇の母の藤原明子(ふじわらのあきらけいこ)の黒御所の跡地です。
明子の父の良房の屋敷を染殿と称し、宮中御用の染所として染井の水が用いられていたそうです。
そんな由緒ある名水を参拝者は自由に汲めるのですから、神社に感謝しなければいけませんね。
手水鉢に流れ出ているのが染井です。
手水鉢の近くには、蛇口があり、そこから染井を取水することができます。
でも、蛇口には、地元の方の列ができているので、観光で訪れた方は、手水鉢に流れ出ている水を汲みましょう。
以前に地元の方にそう教えてもらったので、今回も手水鉢に流れ出る水を汲ませていただきます。
透き通るきれいな水。
水面に光が当たると鏡のようになります。
水は竹の先から流れ出ているので、ここにペットボトルの口を当てて取水します。
今回は、500mlのペットボトル2本に染井を汲ませていただきました。
取水の際は、近くに設置されている賽銭箱にお賽銭を入れるようにしましょう。
帰宅して、さっそく染井の名水を沸かし、コーヒーを飲むことに。
まずは、水をそのまま飲んでみました。
雑味のない味。
まろやかな口当たりですが、近くにある下御霊神社(しもごりょうじんじゃ)の名水と比較すると、やや硬いですね。
同じような場所から湧き出しているのに全く同じ口当たりじゃないというのは不思議です。
染井は、冬場よりも夏の暑い日に飲んだ方が、爽快感があって、おいしく感じるのではないでしょうか。
染井で淹れたコーヒーはモカブレンド。
ちょっと薄めに入れたとはいえ、後味がすっきりとしています。
このすっきり感は、普段飲んでいる水道水とは違いますね。
なお、梨木神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。