毎年、冬になると京都市観光協会が催す「京の冬の旅」。
この企画では、普段目にすることができない非公開文化財を鑑賞することができます。
2013年は、ガイドブックを200円で購入し、どこに行こうかといろいろと眺めて、絶対に拝観しようと思ったところがありました。
そこは、京都市左京区の霊鑑寺です。
霊鑑寺は、椿の寺として名高いことから、見ごろを迎えるであろう3月中旬まで待って、拝観してきました。
書院と本堂
霊鑑寺は、地下鉄蹴上駅が最寄駅となりますが、そこからだと20分ほど歩くことになります。
なので、京都駅から市バスに乗車し、「真如堂前」で下車して、5分ほど歩くのがおすすめです。
南北に延びる哲学の道を横切り東の山に向かって進むと、霊鑑寺の入口が現れます。
入口には、「京の冬の旅」の看板が出ています。
石段の先にある門は、普段は閉まっているので、空いている姿を見るのはとても新鮮です。
門をくぐり、受付で拝観料600円を納めて、順路に従って進んでいきます。
最初に目にするのは、書院です。
書院には、拝観の最後に入ることができ、中で展示物を鑑賞することができます。
霊鑑寺は、承応3年(1654年)に後水尾天皇の皇女多利宮(たりのみや)を開基として創建され、以降、歴代皇女が入寺した尼門跡寺院(あまもんぜきじいん)です。
そのため、一般の寺院よりも格式が高く、書院も後西天皇の院御所の御殿を移築したものとなっています。
中には、関節が稼働するひな人形が飾れれていました。身長は120cmもあるとか。
他には、絵カルタや人形、双六など、尼宮が遊びの際に使ったものも展示されていましたよ。
書院の前には、池泉観賞式庭園が配されています。
池泉となっていますが、池には水は入っておらず、苔が生えていました。
その庭園の近くには、日光(じっこう)という椿が植えられていましたが、まだつぼみの状態でした。
霊鑑寺には、後水尾天皇遺愛の日光が植えられているということですが、この椿がそれなのかどうかはわかりません。
ちなみに日光の花は、真っ赤で、形はひまわりのようです。日光は伏見区の城南宮にも植えられていますね。
書院の次は、小高い丘に建つ本堂に進みます。
この本堂には、高さ20cm程の小さな如意輪観音が祀られています。
建物の奥に祀られているので、ちょっと見にくかったですね。
庭園の椿
本堂の次は、さらに高いところへと進みます。
丘の一番上まで来ると、苔が敷き詰められた庭園があり、そこに椿が何本も植えられています。
真ん中が黄色く真っ白な花びらを付けているのは白玉。
まだ咲いている花は少な目で、写真にとれたのはこの1輪だけでした。
見ごろを迎えていたのは、紅八重侘助(べにやえわびすけ)。
侘助と言えば、口を尖がらせたような形の花が咲くのですが、この侘助は、八重の花びらを大きく広げるように咲いています。
ピンク色の椿は、有楽(うらく)です。
こちらも満開でした。
苔の上に花がたくさん落ちていたので、そろそろ終わりに近づいているのかもしれません。
雪中花は、真っ白な花びらにピンク色が少し混ざっています。
散椿も満開。
遠くから見ると、サザンカのようです。
地面に落ちた椿の花も味わいがあります。
梅とメジロ
一通り拝観したところで、庭園を出ることに。
もう一度、拝観受付の近くに戻り、見ごろを迎えていた八重紅梅を撮影。
梅の木の近くに寄ると、甘酸っぱい香りが漂っていました。
この香りをかぐと、甘いものが飲みたくなりますね。
その気持ちは、人間だけではないようで、メジロも梅の木にやってきてましたよ。
全部で10羽近くはいたと思います。
チュンチュンと言いながら、美味しそうに梅の花の中心にくちばしを入れていましたよ。
なお、霊鑑寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。