京都の観光名所で、見かけることがる重層の建物の楼閣。
特に有名な楼閣に金閣、銀閣、飛雲閣があり、これら3つの楼閣を総称して洛陽三閣ということがあります。
洛陽三閣は、それぞれ金閣寺、銀閣寺、西本願寺に建っています。
金閣
洛陽三閣の中で、一番知名度が高いのは、金閣でしょう。
金箔が貼られた建物は、派手そうに思えますが、実際に見るとそんなことはなく、高級腕時計のようなギラギラした感じではありません。
金閣を建てたのは、室町幕府3代将軍の足利義満です。
金閣を中心とした庭園や建築物は、この世に極楽浄土を現したものだとか。
建物は、1層目が寝殿造の法水院、2層目が武家造の潮音洞(ちょうおんどう)、3層目が中国風の禅宗仏殿造の究竟頂(くっきょうちょう)から構成されています。
屋根は、杮葺(こけらぶき)となっていて、薄い杮の板を何枚も重ねています。
金箔をたくさん使っているのに嫌味でないのは、落ち着きのある杮葺の屋根が理由なのかもしれませんね。
銀閣
銀閣は、室町幕府8代将軍の足利義政によって建てられました。
銀閣は、苔寺の名で親しまれている西芳寺(さいほうじ)を模範にした建物です。
1層目は書院風の心空殿(しんくうでん)、2層目は唐様仏殿の様式の潮音閣といいます。
屋根の上には、青銅の鳳凰がいます。金閣の屋根の上にいる金色の鳳凰に比べると地味に見えますね。
ちなみに銀閣の鳳凰は、観音菩薩を祀る銀閣を絶えず守り続けているそうです。
飛雲閣
西本願寺の飛雲閣は、普段、拝観することができないのですが、特別公開されることがあります。
ただし、写真撮影は禁止です。
なお、2017年に飛雲閣が一般公開された時には、昼と夜の写真を特別に撮影できました。
下の写真は、塀の外から撮影したものです。屋根くらいしか見えませんね。
飛雲閣は、三層杮葺の建物で、豊臣秀吉が建てた聚楽第の建物を移築したものです。
金閣と銀閣は、左右対称に造られているのですが、飛雲閣は左右非対称となっています。
また、飛雲閣は、窓や屋根が様々な形をしています。
例えば、1層目の右側の屋根が三角形なのに対して、左側の屋根は弓なりとなっていたりしますね。
他にも2層目の窓は、外側に絵が描かれているのが特徴的です。雨や雪にさらされて劣化しないのか心配になってしまいます。
一般公開される時だけ、絵が見えるようにしているのでしょうか。
以上が洛陽三閣です。
なお、この3つに大徳寺塔頭(たっちゅう)の芳春院にある呑湖閣(どんこかく)も加えて京都名四閣とされることもあります。
洛陽三閣を1日で拝観するには
洛陽三閣は、市バスを使えば1日ですべて拝観することができます。
ただし、西本願寺の飛雲閣は、先にも述べましたが、普段は非公開なので、公開されているかどうかは西本願寺のホームページなどで確認しておく必要があります。
拝観する順番は、銀閣寺、金閣寺、西本願寺が良いでしょう。
京都駅から銀閣寺
京都駅から市バス100号に乗車し、「銀閣寺前」で下車。徒歩すぐ。乗車時間は約30分です。
銀閣寺から金閣寺
「銀閣寺道」から市バス204号に乗車し、「金閣寺道」で下車。徒歩約5分。乗車時間は約30分です。
金閣寺から西本願寺
「金閣寺道」から市バス205号に乗車し、「七条大宮」で下車。徒歩約10分。乗車時間は約30分です。
1日で洛陽三閣全てに訪れるなら、京都駅かバスの中で市バス1日乗車券を購入するとお得ですよ。