京都市左京区の岩倉に明治時代の右大臣岩倉具視(いわくらともみ)が、幕末に謹慎していた旧宅が残っています。
彼が謹慎していたのは、文久2年(1862年)から慶応3年(1867年)までの5年間です。
謹慎が解かれた後は、小御所会議で活躍し、明治維新に大きく貢献しました。
現在、岩倉具視の幽棲旧宅は、秋になると真っ赤なモミジを観ることができます。
西日が射すと輝くモミジ
岩倉具視幽棲旧宅を訪れたのは、実相院の紅葉を観賞した後でした。
当初は、外観だけを見て帰ろうと思っていたのですが、壁越しに真っ赤なモミジが見えたので、思わず中に入りたくなりました。
岩倉具視幽棲旧宅の拝観料は300円とお手頃。どこもこれくらいの拝観料だったらいいんですけどね。
受付を済ませて敷地内へ。
中には誰もいません。
まるで紅い雲のようにモミジがフワフワと浮いていました。
雲のようなモミジの脇に短い石段があり、そこを上がると茅葺の家が現れます。
真っ赤なモミジと茅葺屋根が似合っています。
やはり紅葉は和の建物と調和しますね。
上の写真に写っている茅葺の家は、岩倉具視が謹慎中に増築したものです。
毎年秋になると、自分の家からこんなきれいな紅葉を観賞できるなんて、岩倉具視は、何ともうらやましい生活をしていたんですね。
いや、よくよく考えると謹慎中で何もすることがなかったのですから、退屈な日々の方がはるかに多かったことでしょう。
下の写真に写っているオレンジ色のカエデは、壁越しに見えていたものです。
旧宅付近を散策した後は、資料館へ。
ここのカエデも鮮やかに色付いていました。
資料館には、岩倉具視と関係のある品々が展示されています。
病気で伏せている具視に明治天皇がお見舞いに来た絵なんかもありました。
敷地内には、ナンテン、千両、万両の赤い実もたくさんあります。
どれも同じように見えますが、受付の方に違いを教えてもらいました。
下の写真の左からナンテン、千両、万両です。
敷地内を一通り拝観して帰ろうと思った頃、西日に照らされたモミジが、キラキラと輝きだしました。
この景色を見ていると、もうしばらく、ここにいたくなります。
偶然、通りかかった場所だったのにこんなすばらしい紅葉を観賞できるとは運が良かったです。
これだけの紅葉が見れるのに誰もいなかったということは、ここは隠れた紅葉の名所なのかもしれませんね。
絵に描いたような真っ赤なモミジが印象的な岩倉具視幽棲旧宅でした。