京都市西京区の嵐山の中腹に建つ法輪寺は、「嵯峨のこくぞうさん」の愛称で親しまれています。
本尊として虚空蔵菩薩を祀っていることがその理由です。
原像は京田辺に
法輪寺には、朱色の多宝塔があり、渡月橋からその姿を見ることができます。
そのため、法輪寺の多宝塔は嵐山のシンボルのようになっています。
下の写真は、多宝塔ではなく本堂です。
法輪寺は、和銅6年(713年)に行基が創建したのが始まりです。
その後、天長6年(829年)に空海の弟子の道昌が中興して、虚空蔵菩薩を安置しました。
虚空蔵菩薩は、虚空のような広大無辺の福徳や智恵を持った菩薩で、人々の願い事を叶えてくれます。
ちなみに法輪寺は、日本三虚空に数えられることがあります。
一般的には、福島県にある円蔵寺の福満虚空蔵菩薩、茨城県にある村松山虚空蔵堂の虚空蔵菩薩、三重県にある金剛証寺の福威智満虚空蔵菩薩が日本三虚空と紹介されることが多いようです。
それぞれの詳細については、以下のWEBサイトやブログをご覧になってください。
話を法輪寺に戻します。
法輪寺に安置されている虚空蔵菩薩には、原像があったと伝えられています。
その原像は、京田辺市の虚空蔵堂(こくぞうどう)に祀られています。
虚空蔵堂は、JR松井山手駅から東に1kmほど行った虚空蔵谷にあります。
こちらの虚空蔵堂は、大住虚空蔵さんの愛称で親しまれています。
創建当初は、法輪山葛井寺といったそうです。
嵐山の法輪寺が、当初、葛井寺(かずのいでら)と称していたことと関係がありそうですね。
もともとは大きなお寺だったようですが、足利義満の時代に兵火に遭い焼失しています。
その時、本尊の虚空蔵菩薩は難を逃れることができました。
嵐山の法輪寺では、3月から5月にかけて、数え年で13歳になる男女がお参りをする「十三まいり」で賑わいます。
京田辺市の虚空蔵堂も4月13日の縁日に十三参りで賑わうそうです。
歴史や行事から想像すると、嵐山の法輪寺と京田辺市の虚空蔵堂は、遠く離れていますが、深い関係がありそうですね。
なお、法輪寺と虚空蔵堂の詳細については以下のページを参考にしてみてください。
また、法輪寺境内から眺める京都市内は爽快です。写真は以下の過去記事に掲載していますので、ご覧になってください。