京都市右京区には、三尾(さんび)と呼ばれる自然あふれる地域があります。
三尾とは、地名に「尾」が付く3つの地域のことで、高雄、槇尾(まきのお)、栂尾(とがのお)を指します。ちなみに高雄は、以前は「高尾」と表記していたことから三尾に数えられています。
この三尾のひとつである栂尾には、世界遺産に登録されている高山寺が建っています。
木々に囲まれた建物
京都駅から高山寺に行くにはJRバスに乗ることになります。
所要時間は約1時間。
バス停「栂ノ尾」で下車して、すぐの場所に高山寺はあります。
バス停から高山寺に入るには裏参道からが近いです。
しかし、どうせなら、少し歩いて表参道から境内に入りたいところです。
表参道の石段を上ったところに高山寺境内と刻まれた石柱があります。
ここから先が境内なのですが、お寺の中と言うよりも、まるで森の中に入っていくような感じです。
境内は、やはり木ばかり。
しばらく、まっすぐ歩いて行くと木の中に埋もれるように金堂が建っています。
金堂は、寛永11年(1638年)に仁和寺の古御堂を移築したもので、釈迦如来座像が安置されています。
金堂から東に向かって歩くと明恵上人御廟があります。
明恵上人は、高山寺と深い関係がある人物で、建永元年(1206年)に後鳥羽上皇の帰依を受けて、高山寺を復興します。
それまで高山寺は、栂尾十無尽院(とがのおじゅうむじんいん)と称していましたが、この時、上皇から「日出先照高山之寺」の勅額を賜って、現在の寺名となりました。
明恵上人御廟の南側には開山堂が建っています。
開山堂は、明恵上人の晩年の草庵跡と言われており、堂内には明恵上人坐像が安置されています。
石水院を拝観
高山寺は、秋の観光シーズンは入山料が必要となりますが、それ以外の季節は自由に境内を散策できます。
ただ、境内に建つ石水院の拝観には、季節を問わず600円の拝観料が必要です。
石水院は、境内の南東に建っています。
建物内は撮影禁止なので、内部の写真はありません。
石水院は、明恵上人が後鳥羽上皇から賜った建物で、当初は金堂の東にありましたが、明治22年(1889年)に現在地に移されました。
中には、明恵上人樹上坐禅図や複本ではありますが鳥獣人物戯画が展示されています。
こういった宝物に興味がある方は拝観してもいいと思います。
ちなみに金堂の東側には、石水院の跡が残っています。
石段を上ったあたりに建っていたようですね。
境内中央を散策
高山寺の主要な建物は、境内の端の方に建っていて、中央は木ばかりが立っています。
とにかく高山寺の境内は、木が多いですね。
私が訪れたのは、新緑の時期だったので、境内のどこも葉を通して、緑色の光が差し込んでいました。
石水院跡から坂を下りるように南に歩いて行くと仏足石が置かれています。
建物の中央に確かに左右の足跡が刻まれた石がありますね。
仏足石からさらに坂を下りていくと一面緑色の葉に覆われた場所があります。
ここは、日本最古の茶園です。
普段飲んでいるお茶が、ここから始まったと思うと感慨深いですね。
なお、日本最古の茶園については、以前にもこのブログで紹介していますので、以下の過去記事をご覧になってみてください。
一通り境内を散策した後は、裏参道から退場。
裏参道から出ると近くがバス停なので便利です。
しかし、バスの便数がそれほど多くないので、乗り遅れるとしばらく暇になってしまうので注意が必要です。
なお、高山寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。
また、三尾の観光についても以下のページで紹介していますので、ご覧になってみてください。