京都市には、京都市市街地景観整備条例という条例があります。
条例の全文は下のページに記載されています。
早い話が京都らしい景観を保とうということですね。
条例なんか特に興味がないという方もいらっしゃるでしょうが、そんな方でも、京都市内を散策していると上の条例と関係があるものをよく見かけるはずです。
その条例と関係があるものとは、お店の看板です。
ローソンの看板をチェック
全国どこにでもあるチェーン店なんかの看板は、どこも同じはずなのですが、京都市内にあるお店の看板は、他の地域とは色や大きさが少し異なっています。
例えば、ローソンの場合。
下の写真は、祇園の八坂神社の西楼門の前にあるローソンです。
ローソンのイメージカラーと言えば水色ですが、上の写真に写っているローソンには水色が使われていません。
よくよく看板を見ると白色の背景に黒色の文字で「LAWSON」と書かれています。
白と黒という地味な色は、古都京都の風情を壊さないための配慮なのでしょう。
八坂神社の朱色の楼門よりも派手だと景観が損なわれてしまいますからね。
地下鉄東山駅から三条通を東に数分歩いたところにあるローソンも普段見慣れたローソンとは外観が違っています。
看板の文字の色が水色で背景は白色です。
なかなか落ち着きのある外観ですね。
三条大橋の西に建つローソンも少し変わっています。
ちょっと見ただけではわかりにくいですが、下の写真に写っている看板をじっくりと見ると違いがわかると思います。
どうですか?
違いがわかりましたか?
よく見るとこの看板の背景色は水色ではなく濃い青色なんです。
ちょっとの色の違いですが、実際に見てみると水色の看板に比べてそれほど派手には見えません。
五条通のお店の看板
今度は、ローソン以外のお店を紹介します。
場所は五条通の烏丸と河原町の間です。
まずは、お弁当屋さんのほっかほっか亭です。
やはり外観が他の地域のお店とは違っています。
通常のほっかほっか亭は、黄色を主体としたデザインなのですが、こちらのお店は白色の背景に赤い文字です。
黄色に比べるとあまり目立ちません。
ほっかほっか亭の向かい側には、和食さとがあります。
こちらも普段見かけるお店のデザインと違っています。
どこが違うかわかりますか?
実は、看板の背景色と文字色が逆転しているのです。
他の地域で見かける和食さとの看板は赤色っぽい背景に白色の文字です。
和食さとのように背景色と文字色が逆転している看板は、京都ではよく見かけますよ。
例えばユニクロなんかもそうですね。
他にも背景色と文字色が逆転した看板を探してみてください。
最後に紹介するお店は、なか卯です。
なか卯と言えば、赤色が目立つ看板ですよね。
しかし、こちらのお店の看板は、茶色の背景に赤色の文字で「なか卯」と記載されているので、派手さを感じません。
茶色の背景の看板は、どことなく温かみを感じます。
以上、京都のお店の看板をいくつか紹介してきました。
他にも有名なところでは、白色が多い吉野家の看板や茶色のマクドナルドの看板などがあります。
京都観光の際には、他の地域とは異なっている看板を探してみるのも楽しいですよ。
ところで、京都の人が他の地域のお店の看板を見ると違和感を感じるのではないかという質問がありそうですが、そういったことはあまりありません。
京都市特有の看板となっているのは、京都市内の一部の地域だけです。
なので、京都に住んでいても本来のデザインの看板の方をよく見ているという人の方が多いですよ。