京都市右京区には、天龍寺、仁和寺、龍安寺といった世界遺産に登録されている有名寺院を始め、たくさんの寺院が建っています。
そのため、右京区に訪れる観光客の方は多く、上記のような有名寺院は、たくさんの観光客の方で賑わっています。
でも、右京区には、こういった有名寺院の近くに意外と人に知られていない興味深いお寺も多数あります。
今回紹介する蓮華寺もそのひとつです。
移転を繰り返した蓮華寺
蓮華寺は、仁和寺の東側に建っています。
しかし、蓮華寺は最初からこの地に建っていたわけではありません。
創建は、天喜5年(1057年)で当初は、嵯峨野の広沢池の近くに建てられました。
そして、円融天皇、一条天皇、後冷泉天皇の勅願所になったり、仁和寺の奥院となるなど、蓮華寺は栄えていきます。
ところが、京都のその他のお寺と同じように応仁の乱(1467年)で焼失してしまいました。
その後は、鳴滝に移転します。
鳴滝に移った後も衰退していったのですが、江戸時代に入り、寛永18年(1641年)に豪商の援助により再興されます。
しかし、再び、お寺は焼失。
現在地に再建されたのは、昭和3年(1928年)でした。
蓮華寺の境内に入って、すぐに目に入るのが整然と並んだ石仏群です。
2列に並んだ全ての石仏が、蓮華寺を訪れる参拝者を出迎えているような感じがしますね。
この石仏群も幾度の火災により移転させられたわけですが、現在の蓮華寺に遷されたのは昭和33年のことだそうです。
実に30年もの間、蓮華寺の移転前の場所に取り残されていたんですね。
どの石仏も風雨にさらされてきたせいか、体中に傷が残っているのが、少し痛々しい感じです。
毎年7月の土用丑の日は胡瓜封じ
蓮華寺といえば、毎年7月の土用丑の日の胡瓜封じも有名です。
キュウリに名前、年齢、病名を書いた後、祈祷を受けて持ち帰り、3日間患部をそのキュウリで撫でると病魔が退散すると伝えられています。
胡瓜封じの模様については、「京都ぷらり散歩便り NOBBY’s KYOTO GUIDE」さんの御室蓮華寺のきゅうりふうじの記事で紹介されていますので、ご覧になってください。
(2010年4月2日追記:上記ブログは閉鎖されています。)
蓮華寺の近くには、仁和寺や龍安寺といった世界遺産に登録されている観光名所があるので、これらの拝観とともに蓮華寺にも訪れてみるといいですね。
なお、蓮華寺の詳細については、下記ページを参考にしてみてください。