毎年4月29日と11月3日に城南宮では、曲水の宴と呼ばれる催しが行われます。
そこで、本日11月3日にこの曲水の宴を観てきましたので、その内容を紹介したいと思います。
小雨が降る寒空で行われた曲水の宴
曲水の宴が午後2時から行われるため、30分ほど前に城南宮に到着したのですが、なんとすでにたくさんの方が観覧にきていました。ぱっと見ただけでも500人くらいはいたのではないでしょうか。
本日の天気は、小雨がぱらぱらと降っていまいち。しかも、最高気温は予報で13度と12月並の気温で、かなり寒かったのですが、曲水の宴は無事に行われました。
事前のアナウンスでは、天気によっては途中で中止にすることもあるとおっしゃっていたので、心配しましたが取り越し苦労でしたね。
曲水の宴ってどんなもの?
ここで、少しばかり曲水の宴について説明しておきます。
曲水の宴は、平安時代の貴族の衣装を身に付けた7人の歌人が、城南宮にある平安の庭の遣水(やりみず)の側に座って和歌を詠むといったものです。
曲水の宴の歴史は古く、353年3月3日、周の時代に中国で行われたのが始まりとされています。
曲水の宴の様子
では、ここから写真を交えながら曲水の宴の内容をお伝えします。
曲水の宴の開始までの間は、数人の女性が琴を弾き、男性の方がその内容や城南宮の歴史などを紹介してくれます。
そして、開始時間の午後2時になると歌人たちの登場です。
平安貴族の雅な姿がなんとも華やかです。
歌人たちが入場するといったん整列します。
そして、本日の歌題が告げられ、歌人たちが遣水の座に着きます。ちなみに歌人たちは、事前に歌題を知りませんので、即興で歌を詠まなければなりません。
そして、歌人たちがそれぞれの遣水の座に移動します。
それぞれの遣水の座につくとその場で着席。
ここで、歌を読む前に白拍子の舞が始まります。
これもなかなか雅な舞です。
白拍子の舞が終わるといよいよ歌人たちが和歌を詠み短冊にしたためていきますが、その前に童子が杯にお神酒を注ぎ、羽觴(うしょう)と呼ばれる鳥型の小さな舟に杯を乗せて遣水に流します。
歌人たちは、詠歌の用意をします。
そして、最初に流れてきた羽觴を見送った後、和歌を詠み短冊にしたためます。
歌を詠み終わった歌人たちが羽觴の杯をいただきます。
そして、童子が短冊を集め、供物案にそれを捧げます。
集められた短冊にしたためられた歌は、朗詠者によって詠まれます。
数人の歌が詠まれた後、一時中断。
ここからは、報道関係者が会場内に入り、撮影を行います。
都合が悪く、曲水の宴を観に城南宮に来れなかった方たちにもメディアを通じて、その内容を観てもらおうという計らいです。
報道関係者の撮影が終わった後、最後の歌が詠まれます。
全ての歌が詠まれた後、歌人たちが遣水の座を立ちます。
遣水の座から退いた後、最初に整列した場所に戻り、再び整列。
歌人たちが退場し、これで曲水の宴は終了です。
今回、はじめて曲水の宴を観ましたが、なかなか風流でしたね。
ただ、朗詠者が歌を詠んでいる最中に退場する方がいたのが少し残念です。やはり、最後まで観て行かれた方がいいと思いますね。
ちなみに、曲水の宴が行われる日は、神苑への入場が無料です。
通常は500円納めなければ入場できないので、お得ですね。
機会があれば、また曲水の宴を観に行きたいと思います。