嵐山の渡月橋の北西に宝厳院(ほうごんいん)というお寺が建っています。
宝厳院は、紅葉の名所として有名です。
なので、初夏は新緑が美しく、青々としたカエデを観賞することができます。
新緑を見るために宝厳院に訪れたのは5月下旬です。
獅子吼(ししく)の庭と名付けられた庭園では、予想通り、カエデの新緑が見ごろを迎えていました。
獅子吼の庭を覆う新緑
渡月橋の北から大堰川沿いに西に歩くこと5分。
宝厳院の入口に到着です。
宝厳院は、本堂の参拝、庭園の鑑賞にそれぞれ500円の拝観料が必要となります。
今回は、庭園の鑑賞が目的なので、本堂の参拝は、また次回ということで。
拝観受付を済ませ、獅子吼の庭の入口へ。
地面にはきれいな円が描かれていました。この円に気付かなかったのか、ご婦人の方が踏んで行ってました。おそらく、円の上を歩いても問題はないのでしょうけど。
獅子吼の庭は、室町時代に策彦周良(さくげんしゅうりょう)が、作庭した庭園で、嵐山を借景としています。
拝観案内によると、獅子吼とは、「仏が説法する」という意味だそうです。
庭園を散策し、鳥の声、風の声を聴くことにより人生の真理、正道を肌で感じることを「無言の説法」いうのだとか。
庭園に入り、最初に目にするのが須弥山を現す築山と人生を思わせる苦海です。
たくさん敷き詰められた小さな石が苦海を表現しています。
その苦海を此岸から彼岸に渡る舟石(下の写真の中央)や龍門の滝と鯉魚石(下の写真の右)などの大きな石が所々に配されています。
苦海を見た後は、順路に従い庭園を散策していきます。
通路の脇からカエデの新緑が入り込もうとしています。
早いもので、葉の先は黄色く色付き始めていました。
地面には、小さな赤い花が咲いていました。
この花は、草ボケというそうです。
確かに木に咲くボケの花とよく似ています。
さらに庭園の奥に入っていくと茶屋がありました。
落ち着きのある屋根をしていますね。
この茶屋では、抹茶とあめゆをいただくことができるようですよ。
茶屋の近くには、無礙光堂(むげこうどう)と呼ばれる永代供養堂も建っています。
通路の側にたくさんのホウキが立てかけられているのかと思ったら、違いました。
これは、豊丸垣(ほうがんがき)という垣だそうです。
それにしても地面は苔だらけ。
新緑とともに庭園を緑色の空間に彩っています。
獅子吼の庭には、様々な場所に岩が置かれています。
中でも下の写真に写っている獅子岩は、とても大きく、その名のとおり、獅子のようです。
ゴジラの化石のようにも見えますね。
今にも動き出しそうです。
空を見上げると、きらきらとカエデの緑色の葉が輝いていました。
初夏らしい光景ですね。
一通り庭園内を拝観したので、そろそろ宝厳院から立ち去ることに。
宝厳院垣に沿って歩いて行くと、庭園の入口に戻れます。
なお、宝厳院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。