京都御苑の東の荒神口通沿いに護浄院というお寺が建っています。
よく観光で京都に訪れる方ならご存知かと思いますが、護浄院は、京の七福神めぐりの福禄寿にあたります。
福禄寿は、長寿のご利益を授けてくれる神様なので、長生きしたいと思っている方は、一度はお参りしておきたいところです。
北の入口
護浄院は、もともと大阪にあったのですが、その後、醒ヶ井(さめがい)高辻に勧請(かんじょう)され、慶長5年(1600年)に現在地に移されました。
京都に移ってきて400年ほどですが、創建されたのは1200年も前だそうです。
護浄院の入口は、荒神口通の南側にあります。
つまり、入口の門が北を向いているということですね。
お寺や神社の入口は、南向きになっていることが多いのですが、護浄院は北向きです。
どのような理由で北向きなのかはわかりません。
門をくぐってまっすぐ進むと、寺務所があります。
これもちょっと変わっていますね。
お寺の本堂や神社の本殿は、入口の直線状に建っているのが通常です。
ところが、護浄院のお堂は、境内の西側に南向きに建っています。
入口の門は北向き、お堂は南向き。
なんとも珍しい造りです。
珍しいと言えば、本尊の清三宝大荒神を祀っている清荒神の額が架かるお堂の前には鳥居が建っています。
通常、鳥居は神社にあるものですよね。
護浄院は、天台宗のお寺ですが、竈(かまど)の神様も祀っている神仏習合のお寺なので、このように境内に鳥居が建っているのでしょう。
なんとも興味深いお寺です。
境内の東には、光格天皇御胞塚(おんえなづか)があります。
胞とは、へその緒のことです。
つまり、ここに光格天皇のへその緒が収められているということですね。
光格天皇は、第119代の天皇で、江戸時代後期に即位されました。
明治天皇の曾祖父にあたります。
また、明治天皇のお父さんにあたる孝明天皇は、護浄院に念持仏の千手観音像を安置しています。
他にも歴代天皇ゆかりの品が収められているそうです。
福禄寿、恵比寿神を祀るお堂
光格天皇御胞塚の後ろに建っている横に長いお堂に福禄寿が祀られています。
ここには、京都七福神めぐりの恵比寿神も祀られています。
間違えてしまいそうですが、京の七福神が福禄寿、京都七福神が恵比寿神です。
他にもこのお堂には、不動明王、准胝観世音菩薩が祀られています。
お参りしておけば、たくさんのご利益を授かれそうですね。
なお、護浄院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。