京都市北区の禅寺の大徳寺は、基本的に境内に入るのは自由です。
でも、境内の中で、普段は、入ることができないところがいくつかあります。
そんな普段入ることができないところが、10月23日から31日まで特別公開されるということなので、この機会に大徳寺を訪れることに。
方丈
今回の特別公開では、方丈、唐門、法堂を拝観することができます。
拝観受付は、方丈にあります。
方丈の入口には、大徳寺の特別公開の案内板が出ています。
拝観料が800円とやや高めなのですが、普段、入れないところなので、これくらいなら許容範囲ですね。
門をくぐって方丈に進み、建物内の入口で受付を済ませます。
方丈に入ると、中で係りの方に手荷物を預けます。
これは、文化財保護のためだそうで、カメラでの写真撮影も禁止です。
なので、ここからは文章だけで紹介していきます。
方丈に入ると、南庭へと進みます。
ここで、係りの方が大徳寺の沿革を解説してくれます。
大徳寺は、宗峰妙超が鎌倉時代末期に創建しました。
その後、方丈は、応仁の乱(1467年)で焼失しましたが、江戸時代に再建されます。
方丈は、住持の修行生活の場となる建物で、通常は3つの部屋から構成されているのですが、大徳寺の方丈は4つの部屋から構成されています。
そのため、他のお寺の方丈よりも大きめです。
方丈の南庭は、白砂が敷かれた枯山水庭園で、ところどころに石が置かれています。
南庭の他にも方丈には東庭という枯山水庭園があります。
作庭したのは小堀遠州で、七五三の庭とも呼ばれています。
細長い庭に石が置かれており、奥には高さの異なる2つの生垣があります。
手前にある低い生垣は、視線を庭に向けるために配置されたものだそうです。
また、奥の高い生垣は、近年の都市開発で大徳寺の周囲に住宅がたくさん建ったことから、それらを隠す目的で配置されています。
他にも部屋の中には、狩野探幽が描いた障壁画があります。
唐門
方丈の拝観後は、預かってもらっていた荷物を受け取り、唐門へと向かいます。
今回の特別公開の一番の目当ては、唐門の写真を撮ることだったのですが、撮影禁止のため、その目的は達成できませんでした。
なので、方丈内で販売されている絵はがきを購入しました。
絵はがきは8枚セット400円で、唐門の写真が印刷されているものも入っています。
写真撮影禁止の観光名所では、絵はがきを購入するのが良さそうですね。
大徳寺の唐門は、西本願寺の唐門、豊国神社の唐門とともに桃山の三唐門とか国宝三唐門と呼ばれています。
唐門は、もともと豊臣秀吉が京都に建てた大邸宅の聚楽第にあったものです。
そのデザインが秀逸で、日が暮れるまで観続けてしまうということから日暮門(ひぐらしもん)とも呼ばれています。
ちなみに大徳寺の唐門は、日光東照宮の日暮門の模型となっています。
法堂
唐門を拝観した後は、法堂(はっとう)へ。
法堂は、えらいお坊さんが講義をする建物で、禅寺特有の名称です。他の宗派の場合では、講堂と呼ばれます。
法堂の天井には、円く龍が描かれています。
係りの方の解説によると、この龍は、爪が3本あることから日本生まれの龍だそうです。
爪が5本あると中国生まれ、4本だと朝鮮生まれだとか。
大徳寺の法堂の龍は、鳴き龍ということで、手をパンと叩くと吠えます。
試しに私も叩いてみました。
するとパンという音の後に「グルグルグルグル・・・」と確かに龍が吠えます。
叩く音が小さいと、鳴き声も小さくなります。
よくこのような仕掛けを造ったものだと感心して鳴き声を聞いていたのですが、係りの方の話によると意図して造ったものではないそうです。
他の禅寺の法堂の天井にも龍が描かれていますが、鳴き龍は、京都では大徳寺を含め3か所にあるとのこと。
他の鳴き龍のうち、ひとつは相国寺にあるそうですが、もうひとつは調べたのですが、どこかわかりませんでした。
なお、相国寺の鳴き龍については、「京都を歩くアルバム」さんの下記記事で紹介されていますので、ご覧になってください。
以上、大徳寺の方丈、唐門、法堂の特別公開の内容でした。
他にも大徳寺には、普段公開されていない子院がいくつもあるのですが、これらの子院も特別公開されていました。
ただ、どこも拝観料が800円と高く、全て観るとなると相当な金額になりそうです。
なお、大徳寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。