12月下旬。
京都市中京区の六角堂に参拝しました。
烏丸御池のビジネス街から近い六角堂は、都会のオアシスのようなお寺。
周辺は会社員の方たちが忙しなく行き来していますが、境内はどこかのんびりとした雰囲気があります。
小雨が降る境内
六角堂は、地下鉄の烏丸御池駅から南に約5分歩き、六角通を東に入ってすぐの場所に建っています。
山門をくぐっていく人の中には、海外からお越しの方も見られるものの、境内に入ると近所に住んでいると思しき方々が目立ちます。
本堂の前に植わっている枝垂れ柳は、葉が黄色。

本堂
葉を落とした細い枝は、遠目からだとわかりにくく、散髪したのかと思うほど、葉が残っている枝が短く見えます。
それでは、本堂にお参りをしましょう。
境内の南西角に植わっているイチョウも、半分ほど葉を散らし、見上げると透けて雲が見える状態に。

イチョウ
ぱらつく小雨が顔に当たり少し冷たい。
境内の西側にたくさんいらっしゃるお地蔵さまは、毛糸の帽子が被せられ冬の装い。
でも、雨に濡れた帽子は体が冷えそうですね。
この寒空の下でも、わらべ地蔵は、横になって睡眠中でした。

わらべ地蔵
北側の池では、いつものようにハクチョウが優雅に泳いでいます。

白鳥
寒さなど全く感じないといった様子で、水面をゆらゆらと浮遊。
他のハクチョウは、エサ箱に顔を突っ込んで、一生懸命食べていましたよ。
東側は、滝から落ちた水が溜まり、そのほとりでは十六羅漢に混ざって邪鬼が居眠りをしています。

邪鬼
邪鬼は、仏教の教えを理解せず、ひねくれて仏教信者とならなかった衆生(しゅじょう)のこと。
説明書によると、六角堂には、羅漢の周りで仏法を学びながらお守りしている者や、本堂前にある大香炉を自分から大喜びで背中に乗せるけなげな邪鬼もおり、自らすすんで縁の下を支えているそうです。
でも、居眠りしている邪鬼は、そのようには見えません。
まだ仏教の教えを理解できていないのでしょう。
冬を感じる光景
境内では、ちらほらとナンテンの赤い実も見られました。

ナンテン
ナンテンは、「難を転じて福となす」と言われるように縁起が良いとされる植物。
正月の門松によく添えられているのを見ますね。
雨に濡れて少し黒くなった十六羅漢の後ろ姿も、冬を感じさせます。

十六羅漢
六角堂の十六羅漢は、にこにこと笑顔を作り和顔愛語(わげんあいご)を実践しています。
和顔愛語は、いつも優しい顔つきで、穏やかに話をするように心がけてさえいれば、必ず良い報いがあるとの教え。
後ろ姿からは確認できませんが、正面から見ると口を少し開いて優し気な表情をしていますよ。
地面に近い高さでサザンカが赤色の花を咲かせていました。

サザンカ
冬になると花が少なくなりますが、サザンカは寒さに負けず、殺風景になりがちな街に彩を添えてくれます。
本堂の北東角に植わっているカエデの枝に残るモミジ。

名残の紅葉
日当たりが悪い場所なので、赤くなりきれなかった模様。
縁がかすかに赤く、中心が黄色っぽいモミジを見ていると、冬の到来を感じます。
境内から出て烏丸通を北に歩きます。
池坊の壁際には、クリスマスらしい生け花が展示されていました。

生け花
和と洋が融合した、ちょっと不思議な光景。
物事に縛られない自由な発想が感じられる作品ですな。
なお、六角堂の詳細については以下のページを参考にしてみてください。