11月中旬。
京都市東山区の尊勝院に参拝しました。
粟田山の中腹に建つ当院は、歩道を歩いているだけでは気づくことがなく、また、ガイドブックなどで紹介されることもほとんどないことから、訪れる人が少なめです。
晩秋の行楽シーズンでも、境内で旅行者や観光客の方を見ることはほとんどありません。
早すぎた紅葉狩り
地下鉄の東山駅から三条通を東に約3分歩き、神宮道との交差点で右折し、1本南の細い道を東に入ります。
100メートルほど進むと右手に坂道が現れるので、山に登っていけば、その先に尊勝院が建っています。
この坂道が結構急で、いつも途中まで上ってきたところで、脈打つ音が人に聞こえそうなほど大きくなってきます。
坂のわきには家屋があり、ここに住んでいると、帰宅はいつも坂路調教だなと変なことを考えながら、段差の低い石段を踏みしめ踏みしめ粟田山の中腹へ。

坂道
尊勝院の入り口までやってくると、日差しを受けて表面がやや白くなったモミジがお出迎え。

入り口の紅葉
良い色付きですな。
息を切らしながらここまで来た甲斐があったというものです。
しかし、きれいだったのは、入り口付近の紅葉だけ。
境内は明らかに紅葉の見ごろ前でした。

境内
とりあえず、本堂にお参りしましょう。

本堂
本尊は、おみくじを考案した元三大師です。
残念ながら戸が閉まっており、本尊を直に拝むことはできませんでした。
本堂の前から振り返って、先ほど見た入り口付近の紅葉を眺めます。

上が赤いカエデ
この角度から見ると、色付きが全然ですね。
3分の1は青葉で、色づいている葉も、まだ緑色が混ざったような深みのある赤色。
日影が多い境内なので、紅葉時期が遅めではあるのですが、他の場所の紅葉の進みと比較しても、ちょっと遅すぎるように思えます。
それでも、色づいている葉は例年より透明感があり、見ごろを迎えた時には鮮やかな赤色が期待できそう。
山の斜面の近くに植わっているイチョウは、まだ黄葉する気配がありませんね。

イチョウ
真夏ほどの深い緑色ではないものの、この時期に全身が緑色だと、黄色くなる前に散ってしまうかもしれません。
境内には、ピンク色のフヨウの花が残っていました。

フヨウ
尊勝院は、時間の経過が他より遅いのか、境内は1ヶ月くらい前の景色。
でも、気温は下がっており、吸い込んだ空気が鼻の穴をひんやりさせ、冬の到来が近いことを報せています。
イチョウの足元の祠に水子地蔵さまが3体いらっしゃるので、こちらにもお参りをしておきましょう。

水子地蔵尊
尊勝院は、境内から京都市街の北を眺めることができたのですが、今は、ツツジが高く育ち壁のように視界を遮っています。

ツツジ
ここからの眺望も楽しみにしていたのですが。
境内の東側には、山道への入り口があり、ここを30分ほど歩くと頂上の将軍塚まで行けますよ。
登山を趣味にされている方には、お馴染みの登山道なのでしょうね。
本堂にお参りを終え、境内も一通り見終えたので、尊勝院から出ることに。
坂道を下り、旧粟田山荘の近くまでやって来ると、その敷地の紅葉がなかなかきれいでした。

旧粟田山荘の紅葉
2021年3月末に営業を終了した粟田山荘は、京都ホテルオークラ(現ホテルオークラ京都)が所有していましたが、コロナ禍で売却を決定しています。
現在は工事をしており敷地内にトラックが見えましたよ。
11月中旬の尊勝院の紅葉は、まだ色づき始めて間もなく、見ごろを迎えるのは11月末になりそうです。
この後は、粟田神社に紅葉を見に行きます。
なお、尊勝院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。