京都には、病気平癒のご利益があると伝えられている寺社がたくさんあります。
有名な神社なら、どこでも病気平癒のお守りを授かることができますね。
だた、その神社が、どうして病気平癒のご利益があるのか、よくわからないこともあります。
何か言い伝えがあると、納得するんですけどね。
そこで、今回の記事では、病気平癒のご利益に関して、しっかりと伝説が残っている寺社を4つ紹介します。
1.仲源寺
京都市東山区の祇園に建つ仲源寺は、眼病が回復するというご利益があります。
その昔、眼病を患った老人が、仲源寺のお地蔵さんにお参りをしたところ、そのお地蔵さんが自らの右目を老人のものと取り換えたという伝説があることから、眼病回復のご利益があると信仰されるようになりました。
また、この伝説から、仲源寺のお地蔵さんは、目疾地蔵(めやみじぞう)と呼ばれています。
2.護王神社
京都市上京区の京都御苑の西に建つ護王神社は、足や腰の病気を治してくれるご利益があると信仰されています。
護王神社の祭神は和気清麻呂(わけのきよまろ)です。
その昔、清麻呂が、宇佐八幡に参詣しようとした時、どこからともなくたくさんの猪が現れ、道案内をしてくれました。そして、その時、病んでいた清麻呂の足も不思議と治ったそうです。
この伝説から、護王神社は、猪を霊猪として敬い、参拝すると足や腰の病気が治ると言われるようになりました。
護王神社の神門には、大きな足腰のお守りがかかっていますよ。
3.石像寺
石像寺(しゃくぞうじ)は、京都市上京区に建っています。このお寺に祀られているお地蔵さんは、あらゆる苦しみを抜いてくれると伝えられています。
その昔、両手に痛みを持った商人がいました。
彼は、両手を医者に診てもらいましたが、痛みは一向に治まりません。
そこで、商人は、石像寺のお地蔵さんにお参りをしました。
ある夜、商人は夢を見ます。
その夢の中に石像寺のお地蔵さんが現れ、商人が前世に打ち込んだ2本の恨みの釘を抜き取りました。
翌朝、商人が自分の手を確認してみたところ、痛みが消えていたそうです。
それ以来、石像寺のお地蔵さんは、釘抜き地蔵と呼ばれるようになりました。
4.蛸薬師堂
蛸薬師堂(たこやくしどう)は、京都市中京区の新京極に建っています。
その昔、母思いの僧がいました。
僧には病気の母がおり、なんとかしてその病気を治したいと思いました。
そこで、僧は、母に精のつくものを食べさせようと蛸を買って帰ることにしました。
しかし、僧が生き物を殺すのは、戒律に背くことになります。
その帰りに僧は、町の人に蛸を買ったことを気付かれてしまいます。
町の人は、持っている箱の中身を見せろと迫ってくるので、仕方なく僧は箱を開けて中身を見せました。
すると、その中にいた蛸は、妙法蓮華経に姿を変えていたため、僧は難を逃れることができました。
そして、その蛸を母に食べさせたところ、病気も治ったそうです。
以上が、病気平癒の伝説がある4つの寺社です。
病気平癒の祈願のためにお寺や神社に参拝するなら、やっぱり、こういった伝説が残っている方がご利益がありそうですよね。