二神が縁を結んでくれる幸神社

京都市上京区の相国寺の東に幸神社があります。

「みゆきじんじゃ」と読んでしまいそうですが、「さいのかみのやしろ」と読みます。

社名の通り、幸福をもたらしてくれる神様で、縁結びのご利益があります。

猿田彦命と天鈿女命が縁を結ぶ

幸神社の創建は古く、神代まで遡ると言われています。その後、天武天皇の白鳳元年に再興され、平安遷都(794年)の際には、鬼門の守護神として出雲路道祖神を祀りました。

京都に都が遷されるはるか昔から存在していたとは、民家ほどの敷地しかない現在の狭い社域からは想像できませんが、それほどの歴史があるのならご利益がありそうですね。

ちなみに白鳳元年という元号は正式には存在せず、白雉(はくち)の間違いではないかなどいろいろな説があるようです。

これについては、「夢幻と湧源」さんの「白鳳」年号の位置づけという記事で詳しく解説されていますので、参考にしてみてください。

幸神社には八神が祀られていますが、その中の主神・猿田彦命(さるたひこのみこと)と天鈿女命(あめのうずめのみこと)の二神が縁結びの神様として崇敬されています。

猿田彦命は、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が高天原から日本に向かった際に道案内をしたと伝えられ、天孫が降臨した時に天鈿女命とともに天と地を導いて結ばれたとされます。

そして、この二神と道祖神信仰が結びつき、縁結びの神様となったそうです。

幸神社の本殿

幸神社の本殿

芸能上達のご利益も

幸神社は、上で述べたように縁結びの神様として知られているのですが、他にも芸能の神様としても崇敬されています。

幸神社の鳥居の脇の立札を読むと歌舞伎踊りの創始者である出雲阿国は、出雲路で生まれ巫女として幸神社に仕えたことがあると書かれています。

出雲阿国が巫女として仕えたということなら、芸能上達のご利益もかなり期待できそうですね。

鬼門除けの猿

幸神社のご利益は、縁結びと芸能上達の他にもたくさんあり、方除けもその一つです。

境内には、左甚五郎作の猿の像が祀られているのですが、この猿が京都御所の猿が辻の猿とともに邪鬼が都に侵入するのを防いでいるそうです。

幸神社の猿の像と猿が辻の猿の像の写真については、「京都得々旅行情報」さんの京都御所北東角(猿が辻)と幸神社の猿の記事をご覧になってください。

縁結び、芸能上達、方除けのお願いがある方は、幸神社にお参りをすれば、幸せになれるかもしれませんね。

足止めの願をかけると夫の遊び癖も治るそうですよ。