5月末。
京都市東山区の六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)に参拝しました。
六道珍皇寺は、8月7日から10日までの4日間に行われる六道まいりが有名なお寺で、この期間は、先祖の精霊を迎えるために多くの参拝者でにぎわいます。
お盆は、とても混雑する六道珍皇寺ですが、それ以外の時期であれば、人はほとんどおらず、静かにお参りできます。
本堂にお参り
六道珍皇寺の最寄り駅は、京阪電車の清水五条駅です。
駅からは、北東に約10分歩けば到着します。
途中、六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)の前を通ると、弁財天を祀っているお堂が壊されている最中でした。
新しいお堂が建つのでしょうか。
六道珍皇寺の入り口に到着。
当寺は、小野篁(おののたかむら)ゆかりのお寺なので、入り口には、それを示す石碑が立っています。
赤色の山門をくぐって境内に入ります。
北に向かって真っすぐに延びる石畳の参道。
参道わきには、お岩大明神を祀る祠があります。
なんだか怖そうです。
参道を北にまっすぐ進むと本堂が建っているのでお参りをしましょう。
六道珍皇寺は、臨済宗建仁寺派に属するお寺ですが、創建された平安時代には真言宗東寺に属していました。
この辺りは、古来から葬送の地とされていた鳥辺野(とりべの)のふもとで、その入り口にあたります。
そのため、冥界との境界「六道の辻」といわれていました。
本堂の近くには、小野篁が冥途に通うために使ったと伝えられている井戸がありますよ。
大石地蔵尊
境内の西側には、たくさんの石仏が並んでいます。
その中央に建つ大きなお地蔵さまは、大石菩薩立像で、大石地蔵尊とも呼ばれています。
近くの説明書によると、平安時代には、飢饉や疫病の流行により、鳥辺山にはいつも骸(むくろ)を荼毘(だび)に附す煙が絶えず、また、裾野一帯には火葬にすらできない人々の遺骸や髑髏(どくろ)が散在していたそうです。
こうした人の世の無常とはかなさの光景を憂い、亡者の魂魄(霊魂)の弔いと冥界での往生を願った弘法大師空海が、六道の辻に身の丈七尺七寸(約2メートル30センチ)の大きな石仏を一夜にして刻みました。
これが、六道珍皇寺の大石地蔵尊と伝わっています。
左手に持っている宝珠は、意のままに願望を成就させてくれます。
また、右手に持っているのは錫杖(しゃくじょう)です。
この世で迷い苦しみの世界にある衆生(しゅじょう)から地獄に堕ちた亡者まで、すべての救済のため、どこにでもこの杖をついて出向いて下さり、ときにはこの杖上部の金の輪を鳴らし、悪をも退け救っていただけるそうです。
しっかり拝んでおけば、願い事を聞いてもらえ、苦しみからも救ってもらえそうですね。
大石地蔵尊の周囲に並ぶたくさんの石仏。
境内の東側には、迎え鐘があります。
迎え鐘は、お盆の期間に鳴らして、精霊を迎えますが、お盆以外の期間でも鐘を突くことができます。
お堂から出ている紐を引っ張れば、ゴーンときれいな音が鳴り、心が浄化されていくようです。
こちらは、閻魔大王と小野篁をまつっている閻魔(えんま)・篁(たかむら)堂です。
中を覗くと、閻魔大王と小野篁の像が見えます。
閻魔・篁堂の近くには、心願成就の絵馬が奉納されていましたよ。
六道珍皇寺の大石地蔵尊は、小さな石仏に囲まれていて、多くの人々を救ってくれそうなお姿をしていました。
どうしても叶えたい願い事がある方は、六道珍皇寺の大石地蔵尊にお参りをしてはいかがでしょうか。
なお、六道珍皇寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。