9月末に京都市下京区の市比売神社に参拝した後、北に5分ほど歩き上徳寺を訪れました。
上徳寺は、2月の世継地蔵尊大祭には多くの参拝者で賑わいますが、それ以外は人が少ないです。
参拝中に境内で人を見かけることは、あまりないですね。
地蔵堂の周囲のお地蔵さま
上徳寺の最寄り駅は、京阪電車の清水五条駅です。
駅からは、西に5分ほど歩けば、常徳寺の山門前に到着します。
山門の左前には、徳川家康の側室の阿茶の局の墓所を示す石碑、右前には冠句の唱道者の堀内雲鼓(ほりうちうんこ)の墓所を示す石碑が立っています。
冠句は、俳句のように五、七、五の字数からなる句で、点者が出した上五字に対して、中七字、下五字を付けて一句とするものです。
山門をくぐると正面に本堂が建っています。
上徳寺は、慶長8年(1603年)に阿茶の局(上徳院殿)が開基となり、伝誉蘇生(でんよそせい)を開山に迎えて建立されました。
創建後は、何度も火災に遭っており、現存する建物は明治以降に再建されたものです。
本堂は、宝暦3年(1753年)に建立された永観堂の祖師堂を移築しています。
堂内には、滋賀県の矢橋(やばせ)の鞭崎八幡宮(むちさきはちまんぐう)から移したと言われている阿弥陀如来が祀られています。
本堂の奥に進むと、地蔵堂が建っているのでお参りをしましょう。
上徳寺は、この地蔵堂に安置されている高さ2メートルのお地蔵さまが有名です。
昔から、良い世継ぎを授かるご利益があるとして信仰を集め、世継地蔵と呼ばれています。
上徳寺の名よりも、世継地蔵の名の方が知っている人は多いのではないでしょうか。
地蔵堂の周囲にも、多くのお地蔵さまが祀られています。
地蔵堂の右前に建つ小さなお堂には、身代り地蔵尊が祀られています。
苦悩、災難、疾病輪禍などの身代わりとなって守護してくれます。
そして、地蔵堂の西側には、かわいらしい2体の歓喜地蔵が座ってますよ。
この世に生まれた幸せを共に喜んでいます。
歓喜地蔵の前には、福を授けてくれそうな大黒さまがいらっしゃいます。
そして、大黒さまの隣には、七福神も勢ぞろい。
なんとも縁起が良さそうな光景です。
境内の南西角に立つ宝篋印塔。
諸願成就のご利益があるとされています。
心しずめ、党の前に立ち、願いを念じて塔を右回りに3回廻ってお参りすれば、願いが叶うと伝えられています。
宝篋印塔の東には、2つのお堂が建っています。
どちらにも、延命地蔵菩薩と書かれた提灯が吊るされているので、同じお地蔵さまが祀られているのでしょうか。
延命利生をちかい、寿命を延ばしてくれますよ。
地蔵堂のちょうど裏側に立っていらっしゃるのは水子地蔵です。
この水子地蔵は、人形師の岡本正太郎氏の作とのこと。
そして、水子地蔵の東のお堂には、はがため地蔵尊が祀られています。
「歯固め」歯を守護し寿命を延ばしてくれますよ。
地蔵堂にお参りを済ませたので、そろそろ境内から出ましょう。
私が上徳寺にいる間、1人も参拝に訪れる人はいませんでした。
この後は、平等寺に参拝します。
なお、上徳寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。