10月中旬。
京都市東山区に建つ粟田神社(あわたじんじゃ)に参拝しました。
粟田神社では、毎年10月上旬から中旬に粟田祭が行われますが、私が訪れた日は粟田祭が終わって間もない時期でした。
青空の下の社殿
粟田神社には、地下鉄東山駅から東に5分ほど歩くと到着します。
三条通に面する1つ目の鳥居をくぐり、狭い参道を南に少し歩くと、2つ目の鳥居が建っています。
鳥居をくぐると、上り坂の参道があります。
参道脇のカエデは、まだ緑色。
この日は晴天だったこともあり、カエデの葉が日差しを浴びて透き通るように輝いていました。
参道を上り切り、境内に入ります。
境内の中央には拝殿が建っています。
秋晴れの空の下で見る拝殿が美しいです。
境内は、粟田祭が終わったばかりということもあり、まだ祭りの余韻がありました。
拝殿の奥には本殿が建っているのでお参りをしましょう。
粟田神社は、貞観18年(876年)に藤原興世(ふじわらのおきよ)が清和天皇の勅命により、大己貴命(おおなむちのみこと)を祀り、その後、牛頭天王(ごずてんのう)を合祀したのが始まりとされています。
また、当地を治めていた粟田氏が氏神として創建したとも伝わっています。
当初は、感神院新宮(かんじんいんしんぐう)や粟田天王宮とも呼ばれていましたが、明治になって粟田神社に改称しました。
本殿には、牛頭天王と同一視される素戔嗚尊(すさのおのみこと)が祀られているので、厄除を祈願しておきましょう。
末社と摂社
本殿に参拝した後は、その北側に並ぶ末社にもお参りをしておくと良いでしょう。
こちらは朝日天満宮の社殿です。
学問の神さまの菅原道真を祀っており、京洛二十五社のひとつに数えられています。
朝日天満宮の隣には、大神宮が建ちます。
大神宮は、青蓮院(しょうれんいん)の坊官である鳥居小路家の旧宅地の鎮護神であったと伝えられています。
鳥居小路家の先祖の高階師尚は、母が伊勢の斎宮であったときに在原業平と密通してできた子です。
そのため、お伊勢さんの怒りに触れ、その子孫が伊勢神宮に参宮しようとしても、病気や災難に遭ったりして参宮できませんでした。
そこで、邸宅内に大神宮を創建しお参りするようになったとのこと。
大神宮は、明治になり粟田神社境内に移され、両脇に八幡神と春日神も祀られるようになりました。
大神宮の隣には出世恵美須神社が建っています。
牛若丸が奥州に旅立つ際にこの恵美須さまにお参りをしたと伝えられています。
再び、拝殿の近くに戻ってきました。
拝殿の南西には、人が近づくと自動的に龍の口から水が流れ出す手水があります。
手水の手前には、切り株。
手水の後ろに建つのは摂社の北向稲荷神社です。
創建年代はわかっていないそうですが、古くから粟田神社境内に祀られていたお稲荷さんだそうです。
祭神は雪丸稲荷他三座です。
雪丸稲荷は、平安時代の刀匠である三条小鍛冶宗近が、一条院の勅命により剣を打つ際に相槌を打ったお稲荷さんと伝えられています。
境内の北側に休憩所があり、そこからは京都の北側を望むことができます。
秋晴れの下、遠くに見える山々の稜線が美しいですね。
平安神宮の大鳥居も朱色が鮮やかです。
本殿にお参りを済ませたので、そろそろ境内から出ることに。
粟田神社は、11月下旬の紅葉もきれいですから、その頃に参拝するのがおすすめですよ。
なお、粟田神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。