11月下旬に京都市左京区の霊鑑寺の秋の特別公開に行った後、道路を挟んで南側にあるノートルダム女学院中学高等学校の敷地内に建つ和中庵の秋の特別公開も見に行ってきました。
和中庵を訪れるのは今回が初めて。
そもそも、その存在すら知らなかったんですけどね。
和中庵からは紅葉も見ることができると言うことなので、どのような紅葉風景を目にすることができるのか、期待しながらノートルダム女学院の門をくぐりました。
洋館内部
和中庵は、地下鉄蹴上駅から北に徒歩約20分の場所に建っています。
市バスだと、「真如堂前」から東に徒歩約5分です。
ノートルダム女学院の門の先に拝観受付があるので、ここで拝観料600円を支払い、拝観案内をいただきました。
和中庵の前にテントが設置されており、ここでガイドの方が和中庵について解説してくれます。
和中庵は、大正15年(1926年)に藤井彦四郎が、大文字山のすそ野、鹿ケ谷桜谷町の土地1万坪を取得し建設しました。
藤井彦四郎は、毛糸事業に重点を置き、共同毛織、共同毛織紡績(現・倉敷紡績)を興して「スキー毛糸」のブランドで成功をおさめ財を成しました。
和中庵には、主屋、洋館、客殿、茶室が造られました。
山裾に建つ和中庵から西に眺める京都の町は絶景だったとのこと。
洋館は2階建てになっており、1階には、2つのソファとその間に小さなテーブルが置かれています。
この部屋は、校長先生と生徒さんとの2者面談でも使われているそうですよ。
階段を上って2階へ。
戦後、ノートルダム教育修道女会のセントルイス管区本部の4名のシスターが来日し、藤井家から和中庵を譲り受けました。
天井には立派なシャンデリアが吊るされていますが、ノートルダム教育修道女会に和中庵が売却された後は、シスターたちの修道院としての役割を果たす場となったことから、シャンデリアは蛍光灯に取り替えられました。
やがて、シスターの高齢化により和中庵は修道院としての役割を終えます。
2008年にシスターの引っ越しが完了すると、和中庵はノートルダム女学院中学高等学校に移管されました。
そして、老朽化した和中庵は取り壊しが検討されます。
しかし、関係者の保存への思いから、洋館、客殿、蔵、茶室が、2014年から2016年にかけて改修工事が行われ現在にいたります。
洋館2階の西側の窓には扉が付いています。
実は、洋館の西側には主屋が建っており、両建物は廊下でつながっていました。
でも、主屋が取り壊されたことで、洋館の出入口にはガラス窓がはめ込まれ、現在は外に出られなくなっています。
奥座敷から見る紅葉
洋館の東側には客殿が建っています。
洋館と客殿をつなぐ廊下からは見ごろを迎えた紅葉が見えました。
客殿の奥座敷は下が畳となっていますが、こちらも、ノートルダム教育修道女会に売却された後は板張りになっていました。
奥座敷から南側に目をやると、カエデが赤く色づいていましたよ。
奥座敷の東側の庭園の奥には、大きな灯籠が立ち、その奥のカエデも紅葉していました。
庭園全体で、カエデの紅葉が進んでいましたが、まだ青葉も残っており、これからもっと赤くなりそうでしたよ。
奥座敷から南西に見る紅葉が最もきれいでした。
なだらかな斜面に多くのカエデが植えられており、見下ろすように見る紅葉風景は絶景です。
でも、南西方向には校舎が建っており、カメラを校舎に向けての写真撮影は禁止されていました。
なので、奥座敷から南東方向に撮影した写真を掲載しています。
和中庵の秋の特別公開は、11月23日から12月2日までです。
私が訪れた日は、まだ紅葉が見ごろに入ったばかりのようでしたから、特別公開最終日までには、もっと真っ赤なモミジを見られることでしょう。
この後は、安楽寺の紅葉を見に行きます。