蚕の社。
「かいこのやしろ」と読みます。
蚕の社は、京都市右京区に建っている神社で、京福電車の蚕ノ社駅から5分ほど歩いた場所にあります。
この神社には、変わった鳥居があるということなので、その鳥居を見に行ってきました。
薄暗い空間にある三柱鳥居
蚕の社は、木嶋神社(このしまじんじゃ)とも呼ばれることがありますが、正式には、木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)と言います。
創建年代はよくわかっていませんが、続日本紀(しょくにほんぎ)の大宝元年(701年)4月3日の条に社名が記されていることから、それよりも前に建てられたことが伺えます。
京都では、平安遷都(794年)より前に創建された神社が少ないので、蚕の社は、京都の神社の中でも相当長い歴史を持っていると言えますね。
そういった長い歴史を持っているからなのか、蚕の社の鳥居は、木製の飾り気のないものです。
野宮神社の黒木鳥居ほどではありませんが、原始的な造りとなっています。
この鳥居が蚕の社の変わった鳥居なのかと思いましたが、そうではありませんでした。
蚕の社の境内には、本殿の隣に木で囲まれた薄暗い空間があります。
肝試しで使えそうなほど神秘的な空間です。
その薄暗い空間には、石造の鳥居が建てられています。
よく見ると柱が三本あるのがわかると思います。
この鳥居は、三柱鳥居(みはしらとりい)と言い、三方が全て正面になるように造られています。
天保2年(1831年)に造られたもので、水の神を崇敬した形だとか。
確かに変わった形をした鳥居ですね。
土用丑の日は元糺の池で手足を浸す
三柱鳥居は、柵で囲まれているので、近くに寄ってじっくりと見ることはできません。
それと、三柱鳥居は池の中に建てられているので、例え柵がなかったとしても近くまで行くことはできませんね。
三柱鳥居が建っている池は、元糺(もとただす)の池と呼ばれています。
蚕の社がある辺りは、以前は森林だったそうで、元糺の森と呼ばれていました。
下鴨神社の糺の森の前身が元糺の森で、元糺の池は、誤りを正したり、身を清める行場であったと言われています。
そのためなのか、土用丑の日に元糺の池に手足を浸すと体が清められ、病気が治ると伝えられています。
木に囲まれて日陰となっている元糺の池の水は、冷たくて気持ちよさそうですね。
夏の暑い日に手足を浸せば、それだけで涼しくなりそうです。
なお、蚕の社の詳細については、以下のページを参考にしてみてください。