京都府宇治市には、世界遺産が2つあります。
ひとつは10円玉に描かれている平等院で、もうひとつは宇治上神社です。
平等院に訪れる観光客の方はとても多いのですが、宇治上神社に参拝される方は少なめです。
宇治上神社も世界遺産なのですから、宇治市に訪れた時は、こちらにも参拝しておきたいですね。
ということで、5月末に宇治上神社にお参りをしてきました。
工事中の社殿
宇治上神社の参道に到着。
京阪電車の宇治駅から徒歩約10分、JR宇治駅から徒歩約15分ほどですね。
参道には、ほとんど人がいません。
時期的なものもあるのでしょうが、世界遺産にこれだけ人が少ないのも珍しいです。
もしかすると、京都府にある世界遺産の中で最も訪れる方が少ないところかもしれません。
参道脇のカエデの新緑がきれいです。
人出が少ないおかげで、新緑を眺めながら、のんびりと参道を歩くことができます。
そして、境内に到着。
しかし、なにやら工事が行われいます。
これでは、宇治上神社にお参りできそうにありません。
ちなみに工事は2014年12月まで行われるということです。
宇治上神社の不思議
本殿にお参りできないのなら、このまま帰るしかないと思ったのですが、社務所の前に「宇治上神社の不思議」が紹介された紙が置かれていたので、それを1枚いただき、見れるものだけ見ていくことに。
解説を読んでみると、なかなか興味深いことが書かれています。
お守り、紋、おみくじなどが、ウサギになっているのは、昔、宇治を菟道と書いていたからそれにちなんでいるとか、世界遺産に登録されているのは建物だけでなく、その後ろにある木々も含めた境内地全部であることなど、宇治上神社に対する疑問に答えてくれています。
清め砂
境内に入ってすぐに疑問に思うのが、社殿の前に作られた2つの円錐状の砂の山です。
これは清め砂といいます。
毎年、9月1日に行われる八朔祭(はっさくさい)で、氏子さんたちによって奉納されるそうで、境内のお清め用の砂として1年間盛られ続けます。
他の神社でも同じようなものを見かけますが、それらは神さまが降りるための依代(よりしろ)で、宇治上神社の清め砂とは意味が異なります。
桐原水
境内の東にある桐原水(きりはらすい)は、手を清めるための手水(ちょうず)です。
桐原水は、湧水ですが、宇治上神社では手水として使っているんですね。
飲む場合は、一度沸かしてから飲んだ方が良いそうです。
ケヤキのご神木
桐原水の隣に植えられている大きなケヤキの木は、ご神木です。
樹齢は330年以上とのこと。
とても立派なご神木です。
大きな石に積まれた小さな石
境内の北東に進むと、本殿の脇に小さな石がたくさん積まれた大きな石があります。
大きな石は、昔、社があったことを示す社跡の標です。
いっぱい詰まれた小石は、参拝者が願い事をして積んでいったものということです。
宇治上神社にお参りした時は、この大きな石に小さな石を積んでいくと、さらなるご利益を得られそうですね。
本殿
工事中のため、本殿にお参りすることができないのかと思ったのですが、そんなことはありませんでした。
本殿は、11世紀ごろに建てられたものとされています。
史料がないので、そういったものから建立年代を特定することができないのですが、年齢年代測定法という方法で、11世紀頃と算出されたそうです。
宇治茶の木
宇治上神社の不思議が紹介された紙の最後に宇治茶の木が1本だけ境内にあると書かれていたので、探してみました。
下の写真に写っているのが、その宇治茶の木です。
植えられているのは、本殿の右前。
高さが膝くらいしかない小さな木ですが、宇治茶の木であることを示す案内が近くにあるので、見逃すことはないでしょう。
時が過ぎると、高い木になるのでしょうか。
それとも、手入れをして、今の高さを維持し続けるのでしょうか。
また、次回、参拝した時に確認しましょう。
なお、宇治上神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。