京都市左京区の南禅寺は、京都でも割と人気のある観光名所です。
雄大な三門や近代建築の水路閣など、見るものがいろいろとあるのが、その理由でしょう。
南禅寺に訪れた時に一緒に拝観しておきたいのが、複数ある塔頭(たっちゅう)です。
その中でも、天授庵は、枯山水庭園と池泉回遊式庭園を鑑賞できるおすすめの名所で、他よりも優先的に見ておきたいところです。
今回の記事では、天授庵の2つの庭園を紹介します。
東庭
天授庵の最寄駅は、地下鉄蹴上駅です。
そこから北東に10分ほど歩けば、天授庵に到着します。
天授庵の拝観料は400円です。
天授庵は、南禅寺15世虎関師錬(こかんしれん)が、暦応2年(1339年)に光厳天皇の勅許を得て、南禅寺の開山である無関普門の塔所として建立したのが始まりです。
後に応仁の乱(1467年)で焼失しましたが、慶長7年(1602年)に細川幽斎によって再建され、細川家の菩提所となりました。
なお、現在の方丈は、この時に建てられたものです。
方丈内には、長谷川等伯の襖絵がありますが、残念ながら、普段は非公開なので見ることはできません。
方丈の前に広がるのが、東庭です。
東庭は、枯山水の庭園で、秋になると庭の東側に植えられたカエデが紅葉し、美しい姿を見せてくれます。
白砂の中央に石畳があり、周囲に苔が生えているのが、秩序整然としていて趣があります。
見た目は簡素なのですが、とても味わい深い庭園ですね。
南庭
東庭を見た後は、南庭に進みます。
質素な感じの入口が、まるで山の中に入っていくような雰囲気を演出していますね。
入口の門をくぐると客殿が現れます。
南庭は、客殿の縁側から眺めるようになっているのでしょうが、通常は中に入ることができません。
南庭は、敷地の大部分を池が占めている池泉回遊式庭園です。
作者はわかっていませんが、その造りが南北朝時代の特色を持っていることから、天授庵創建当時のものと伝えられています。
南庭も池の周囲にカエデが植えられているので、秋になるときれいな紅葉を見ることができます。
紅葉もきれいなのですが、たくさんの木々に覆われた南庭は、都会のオアシスといった感じで、一時だけでも自然の中で癒されたいという方には、良い空間だと思いますよ。
天授庵の庭園には、カエデが多く植えられているので、訪れるなら初夏の新緑の時期や秋の紅葉の時期が良いでしょう。
雪が積もった東庭もきれいそうなので、天気予報で雪が降りそうな日があったら、冬でも訪れる価値がありそうですね。
なお、天授庵の詳細については以下のページを参考にしてみてください。