9月19日に京都市左京区の本妙寺に萩を見に行った後、東大路通を北に少し歩き聞名寺(もんみょうじ)に参拝しました。
聞名寺に参拝するのは久しぶり。
この辺りは、よく通るのですが、素通りすることが多かったんですよね。
まだ秋らしさが感じられない境内
聞名寺には、地下鉄の東山駅から北に約6分歩くと到着します。
東側の歩道に面して山門が開き、参拝者を迎えてくれていますが、あまりお参りする人の姿を見ませんね。

山門
山門の前には、「洛陽第十七番 地蔵尊」と刻まれた石柱が立っています。
同じ石柱の北側の面には、「大炊道場 聞名寺」と刻まれています。
また、近くには、それより背が低い石柱に「身代地蔵尊」とも刻まれています。

大炊道場 聞名寺
平安時代に創建された聞名寺は、その後、鎌倉時代に遊行上人一遍が時宗の寺として再興した際に大炊道場(おおいどうじょう)と呼ばれるようになりました。
石柱はそれを意味しているんですね。
車の通りが多い東大路通から山門をくぐって境内に入ると、一気に静かになった気がします。

境内
そんなことはないのですが、お寺の持つ落ち着いた雰囲気が静寂を感じさせるのかもしれません。
山門の近くには地蔵堂が建っています。

地蔵堂
ここに山門前の石柱に刻まれていた身代地蔵尊が祀られているのかと思ってしまいますが、堂内に祀られているのは明眼地蔵(めいがんじぞう)です。
平安時代に光孝天皇の眼病を治したと伝えられており、眼を病む人の信仰を集めてきたお地蔵さまです。
現代は、テレビ、スマホ、パソコンなどで眼を酷使する時代になっていますから、しっかりお参りしてご利益を授かりましょう。
参道のわきには萩が植わっており、その奥には本堂が建っています。

萩と本堂
そろそろ萩が見ごろを迎えても良い時期なのですが、聞名寺では、まだちらほらと白色の花が咲き始めたばかりでした。

白色の萩
9月に入っても暑い日が続いたことから、京都では、全体的に萩の開花が遅れています。
聞名寺も例外ではないですね。
ただ、聞名寺には、以前も9月中旬に参拝したことがあり、その時も萩が開花前でした。
当寺の萩が遅咲きなのかもしれません。
境内には、赤色の萩も植わっていますが、こちらも咲き始めでした。
本堂の前には、七重石塔と十三重石塔が並んで立っています。

七重石塔と十三重石塔
七重石塔の方が年季が入っているように見えますね。
それでは、本堂にお参り。
本堂の手前に植わっている枝垂れ桜は、まだ緑色の葉がたくさん付いており夏の姿を保っていました。

枝垂れ桜
聞名寺に桜があることはほとんど知られておらず、春に見ごろを迎えても見に来る人は少ないです。
境内の隅では、サルスベリが赤色の花をまだ咲かせていましたよ。
枝を地面に挿したような背が低いサルスベリですが、花は割とたくさん咲いていますね。

サルスベリ
これからどんどん背が高くなっていくのを期待しましょう。
最後に山門の東側にたくさんいらっしゃるお地蔵さまにもお参り。

たくさんのお地蔵さま
中央の背が高いお地蔵さまが身代地蔵です。
災厄が降りかかって来ても身代わりになってもらえるよう祈願しておきましょう。
周りに祀られている背が低いお地蔵さまには、奉納した方の名が記されていました。
ざっと数えた感じだと100体くらいいらっしゃいましたよ。
山門付近に祀られていると、参拝者の帰宅の無事を大勢で祈ってくれているようで安心しますね。
なお、聞名寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。