8月16日。
お盆に迎えた先祖の例であるお精霊さん(おしょらいさん)を送る五山送り火が行われました。
五山送り火の起源はよくわからないものの、現在は京都のお盆の行事として定着しています。
今年は、京都府八幡市の男山の山頂に鎮座する石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)の展望台から五山送り火を見てきました。
斜めに見る大文字
石清水八幡宮は、京阪電車の石清水八幡宮駅からケーブルに乗車し、男山の山頂に向かうのが便利ですが、夜は運行していないため山道を登る必要があります。
参道は薄暗いので、橋本駅のほうから民家を抜けて石清水八幡宮に向かう方が安全ですが、その場合、歩いて30分近くかかります。
だから、石清水八幡宮に五山送り火を見に来る人は少なめです。
2021年にも石清水八幡宮に五山送り火を見に来てますが、その時はコロナの影響で規模が縮小され、炎の点が見えるだけでした。
午後7時30分頃に展望台に到着。
男山は京都市の南西に位置しているため、北向きの展望台からは京都市の全体を望めます。
京都市街は雨が降っているようで、霧がかかったようになっていました。

展望台から見る夜景
手前はよく見えるものの、五山送り火が行われる山々は視界が悪いですね。
午後8時となり、如意ヶ岳の「大」に点火されたはずですが、何も見えません。
やはり、視界が悪くて大文字が見えないのかと思っていたところ、8時2分くらいに炎が見えてきました。

如意ヶ岳に火が見える
大文字の炎の勢いが強くなってきているのはわかりますが、ここからでは、きれいな「大」を見ることができません。

京都の街と「大」の一部
角度が悪く、片仮名の「ノ」の字のような形になっていましたよ。

「ノ」にしか見えない「大」
最もきれいに見えた妙法
午後8時5分頃。
展望台のちょうど正面に妙法が灯りました。
「妙」の文字がはっきりと見えます。

妙
「法」も形がしっかりわかりますね。

法
並んだ妙と法。

妙・法
妙法は二山二字を合わせて一山一字とします。
妙で一字、法で一字ではないんですね。
京都市内からだと、妙と法を同時に見られる場所を探すのは難しいですが、男山の山頂からだと、どちらもきれいに見えます。
ただ、距離があり過ぎるため、妙も法も小さくしか見えませんけどね。
京都の夜景とともに妙法と大文字を撮影。

妙・法、大
写真の右のほうの山に「ノ」のような「大」。
そして、左に「妙」。
「妙」から少し右にうっすらと「法」が見えます。
肉眼だとこんな感じでしか見えないので、撮影した写真を拡大して送り火の形を確認する必要があります。
小さな左大文字
午後8時10分頃に船形に点火されているはずですが、ここからでは見えませんね。
霧の影響もあって、結局、船形は見られませんでした。
午後8時15分を過ぎ、展望台から中央やや左を眺めると、大北山の左大文字に点火されたのが見えました。
まだ炎が弱く、かろうじて「大」が見える程度ですね。

点火した左大文字
でも、8時20分頃になると、炎の勢いが強くなり、きれいに左大文字が完成しました。

できあがった左大文字
妙法より小さいですね。
肉眼で「大」の文字を確認するには、視力が3.0くらいないと厳しそうです。
長岡京市辺りの道路の灯りが眩しい。
これも左大文字を見にくくしている原因でしょう。

左大文字と夜景
とは言え、写真で見ると、左奥に見える「大」と道路の灯りが、なかなか良い感じになっていましたよ。
午後8時20分頃に一番西にある鳥居形にも点火したと思われますが、男山の山頂からだと全く見えません。
山が邪魔して物理的に見ることは不可能ですね。
この頃になると如意ヶ岳の大文字も妙法も消えてしまい、展望台の中央から東の空は真っ暗になっていました。
左大文字は炎の勢いが弱まらず、8時30分頃になってもきれいに燃え続けていましたよ。
五山送り火が終わり、京都の夏も終盤に向かいますが、まだまだ残暑が厳しいですね。
今年も秋の到来が遅れそうです。
石清水八幡宮の展望台からは、如意ヶ岳の大文字、妙法、左大文字が見られましたが、肉眼で見るには小さすぎる印象です。
でも、並んだ妙法を見るなら良い場所ですね。
人は30人くらい来てたでしょうか。
夜に男山に登るのは不便なので、さすがに地元の人も来ないようです。
なお、石清水八幡宮の詳細については以下のページを参考にしてみてください。