7月21日。
京都市東山区の八坂神社を訪れました。
この日は、午後5時から本殿と舞殿で、祇園祭の行事である八坂礼拝講(やさからいはいこう)が行われました。
八坂礼拝講は、昨年19年ぶりに復活した神仏習合の行事であります。
神社でお坊さんが法要を行う不思議な光景
八坂神社には、京阪電車の祇園四条駅から東に約5分歩くと到着します。
最高気温が37度まで上がった京都市内は、午後4時20分頃になっても暑さが残っていました。
八坂神社に向かう四条通は、北側の歩道が全て屋根付きなので、日差しを避けるためこちらを歩きます。
西楼門をくぐり参道を歩いて、本殿の前にやって来ました。
午後4時30分頃に本殿と舞殿に近づけないようになり、八坂礼拝講が始まるのを待ちます。

境内
舞殿の西側で午後5時になるのを待っていましたが、背中に西日が当たって非常に暑いです。
午後5時近くになり、神職の方たちが本殿に入っていきます。
そして、南楼門から比叡山延暦寺のお坊さん方がいらっしゃいました。

比叡山延暦寺のお坊さん
お坊さんは、本殿と舞殿に分かれて入ります。
本殿の様子はわかりませんが、舞殿は開けているので、お坊さんの姿がよく見えます。

舞殿に整列
舞殿にお坊さんが整列し、八坂礼拝講が始まりました。
八坂礼拝講は、疫病退散や世界平和を祈願する神事と仏事が行われる行事です。
行事の前半は本殿を中心に神事が行われ、宮司さんが神饌を供えたりしているようでしたが、外からはその様子はわかりません。

神職
舞殿に並ぶお坊さんは、神事の間、何度か起立して低頭していました。
参列者も、それに合わせて低頭。
神事の次は、比叡山延暦寺のお坊さんが法要を行います。

舞殿(手前)と南楼門(奥)
法要は舞殿で行われます。
偉いお坊さんがお経を読み上げたり、玉串を奉納したりします。
そして、舞殿の四方に並んでいたお坊さんも、お経を唱えながら、時計回りに歩き、キラキラ光る紙を撒いていました。

お経を唱えながら紙を撒く
その後、偉いお坊さんが舞殿の北側に着座し、お経を唱えます。
ここからは撮影禁止です。
偉いお坊さんの力強い声が、舞殿の天井を突き破り天へと届きそうであります。
天台宗に伝わる秘法でしょうか。
素人にはその意味は解りませんが、お坊さんの迫力ある声が境内に響き渡ります。
偉いお坊さんの祈祷が終わると、本殿で再び神事が始まり、中から雅楽の音色が聞こえてきました。

本殿
時刻は午後5時に近づき、そろそろ八坂礼拝講も終盤に入ったようです。
舞殿にいらっしゃるお坊さん方が、二拝二拍手一拝をする光景は、不思議なものを感じます。
でも、明治以前は、神道と仏教を分けることなく、八坂神社も、祇園感神院と呼ばれ神社とお寺が一体となっていました。
神仏習合こそが本来の姿なのです。
神事と仏事が終わり、本殿から神職の方やお坊さんが出てきます。
そして、舞殿にいらっしゃったお坊さんも降りてきました。

舞殿から出たお坊さん
最後は、八坂神社と延暦寺が並んで仲良く記念撮影。

記念撮影
神仏習合の貴重な瞬間であります。
八坂礼拝講は、約1時間で終了しました。
行事が始まった時は、西日がきつかったですが、途中で建物の影が伸び、境内に日影ができて暑さがましになりました。
参拝者は多かったですが、八坂神社で行われる他の祇園祭の行事と比較すると少ない方でした。
来年以降も、八坂礼拝講が行われると良いですね。
なお、八坂神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。