11月27日。
京都御所を訪れました。
京都御所では、11月27日から12月1日まで秋の特別公開「京都御所 宮廷文化の紹介」が催されています。
月曜日と特定の日を除いて、通年公開となった京都御所ですが、毎年、春と秋に特別公開が行われ、普段見ることができない貴重な品々を鑑賞できます。
また、秋の特別公開では、紅葉も見ることができます。
清涼殿の調度と更衣の様子
京都御所の最寄り駅は、地下鉄の丸太町駅、または、今出川駅です。
どちらの駅からも、出てすぐの場所に京都御苑がありますが、京都御所は苑内の北西にあるので、今出川駅の方が近いですね。
京都御所の北西角にある清所門から入場します。
入場の際は手荷物検査を受け、その後に入館証を受け取り首にかけて京都御所内を歩きます。
清所門から南に進み、宜秋門番所(ぎしゅうもんばんしょ)にやって来ました。
ここでは、京都御所内に建つ清涼殿の朝餉(あさがれい)の間と御手水(おちょうず)の間の調度品が展示されていました。
下は、朝餉の間の調度品です。
清涼殿は、天皇の住まいとして使われた建物で、朝餉の間は御膳や更衣のための畳敷の御座です。
後ろに山水屏風、左端に冠筥(かんむりばこ)と二階厨子(にかいずし)が置かれています。
中央に置かれた畳は、繧繝縁畳(うんげんべりたたみ)で、その上の座布団のようなものは御蔀(おしとみ)です。
こちらは御手水の間。
中央に置かれているのは天皇の御座の大床子(だいしょうじ)です。
そして、左に盥(たらい)を置く御手水案(おちょうずあん)があります。
右側には小障子(こしょうじ)が立っていますが、写真に正面が写っていないのでただの板にしか見えませんね。
京都御所内の南東にやって来ました。
ここには、春興殿(しゅんこうでん)という建物があり、その前で雅楽の実演が行われていました。
特別公開の時は、午前10時と11時に雅楽や蹴鞠の実演が行われます。
私が来た時は、11時台の雅楽の実演が行われていました。
演目は、納曾利(なそり)です。
納曾利は、朝鮮半島から伝来した舞で双竜舞(そうりゅうまい)とも呼ばれているとのこと。
雌雄の竜が楽しげに遊ぶ姿の舞と言われています。
演目は2つで、もう一つは迦陵頻(かりょうびん)でしたが、すでに終わっていました。
京都御所の南東角の建春門の近くでは、紅葉が見ごろを迎えていました。
ロープが張ってあるので、遠目からしか見られませんでしたが、それでもきれいに見えましたよ。
これからもっと赤色に透明感が出てきそうですね。
特別公開の時は、生け花も展示されます。
こちらは、月輪未生流(つきのわみしょうりゅう)の萬歳(ばんざい)という作品です。
「いま生をもってこの場にいることにバンザイしましょう」と記されていました。
生きているだけで、とてもありがたいことなのです。
重要な儀式が行われる紫宸殿(ししんでん)の前にやってました。
いつもながら、大きな建物です。
特別公開の時は、建物内の中央に高御座(たかみくら)と御帳台(みちょうだい)が展示されるので、しっかり見ておきたいですね。
紫宸殿の北西に建つ清涼殿にやって来ました。
清涼殿では、旧暦10月1日の宮中年中行事である更衣(ころもがえ)の様子が再現されていました。
更衣は、季節に応じて衣服、室内の調度や敷物をかえることをいいます。
今回の展示は、夏装束から冬装束への更衣をテーマとしており、母屋にある御帳台と几帳(きちょう)の帷(とばり)の取替え、東庇(ひがしびさし)の御簾(みす)の内側に壁代を取りつけている様子を人形により再現しているとのこと。
御池庭と御内庭の紅葉
清涼殿の次は、北東に進み京都御所内の東に設けられた御池庭(おいけにわ)にやって来ました。
御池庭の周囲では、カエデが良い具合に紅葉していましたよ。
常緑樹に混ざって、カエデが紅葉しているのを見ると、いま目が覚めたような気分になりますね。
池に架かる石橋のたもとのカエデも、日差しを浴びて透き通るような赤色になっていました。
御池庭から北に進むと御内庭(ごないてい)があります。
御内庭も常緑樹が多い中にカエデが植えられており、所々が赤色になっていました。
こちらの紅葉も良い色をしています。
私が京都御所を訪れた時は曇っていましたが、晴れていると、もっと紅葉がきれいだったでしょうね。
それでも、真っ赤なモミジを見られたので来て良かったです。
京都御所は、特別公開後の12月2日と3日は通年公開が休止となりますので注意してください。
紅葉の見ごろは、12月5日頃までは続くと思います。
なお、京都御所の詳細については以下のページを参考にしてみてください。