毎年8月16日は、盂蘭盆(うらぼん)に迎えられたお精霊さん(おしょらいさん)をあの世へ送る五山送り火が行われます。
今年は、台風の影響で、15日の護摩木の受付は中止されたものの、16日には予定どおり五山送り火が行われました。
そして、私は、京都市左京区の吉田山に五山送り火を見に行ってきました。
如意ヶ岳に浮かび上がる大文字
吉田山には、市バス停「京大正門前」から東に約5分歩くと到着します。
吉田山の西のふもとには、吉田神社の大きな朱色の鳥居があり、ここをくぐって山の頂上に向かいます。
そして、山の頂上まで行くと、吉田神社の末社である竹中稲荷社の鳥居が現れるので、それをくぐって参道を北に歩き、本殿へと向かえば、東の方角に大文字山とも呼ばれる如意ヶ岳を望めます。
バス停から竹中稲荷社までは、徒歩約15分です。
私は、吉田山の東側にある宗忠神社の石段を上って山頂に向かいました。
山頂に到着したのは、午後8時前。
竹中稲荷社の境内には、100人くらいいたと思いますが、ぎゅうぎゅう詰めではなく、人との間隔が適度にありました。
午後8時となり、如意ヶ岳にぽつんと一つの光が灯りました。
写真に撮っても、ただの点にしか見えません。
光は、すぐに2つになり、さらに星形に点が増えていきます。
数分後には、「大」の文字がわかるほど、多くの点が見え始めます。
吉田山の山頂は、如意ヶ岳と距離が近く、大文字がよく見えます。
炎が強くなり、大の形がはっきりと見えるようになってきました。
全ての炎が一直線につながりそうなほど、勢いが増してきました。
如意ヶ岳全体を撮影すると、もう大文字がほとんどできあがっています。
そして、点火から10分も経たずにきれいな大文字が完成しました。
いつ見ても、見事な大文字であります。
大文字が完成したところで、吉田山を降ります。
ついでに夜の竹中稲荷社の社殿も撮影しておきましょう。
暗くてよくわかりませんね。
真如堂で見る左大文字と鳥居形
吉田山を東から降りて、次に向かったのは、真如堂(しんにょどう)です。
山のふもとから一直線に3分も歩けば、真如堂の赤門の前に到着します。
赤門をくぐり、真っ暗な参道を境内南側の墓地に向かって歩きます。
夜の真如堂は、懐中電灯がないと歩くのが厳しいです。
真如堂では、毎年8月16日の夜に精霊送り灯ろう供養会が行われ、境内に大の字型に献灯が並べられるのですが、今年は台風の影響により中止となりました。
さて、墓地に到着すると、西の方角に大北山の左大文字が見えました。
時刻は午後8時20分頃で、左大文字はすでに完成していました。
「六」の字のように見えますが、「大」です。
左大文字から左に目を移すと、曼荼羅山の鳥居形も見えます。
鳥居形までは、距離がありすぎるため、写真がぶれてしまいました。
でも、久しぶりに鳥居形を見られたので、感無量であります。
真如堂からは、如意ヶ岳の大文字も見えますが、すでに炎の勢いが弱まり、終わりに近づいていました。
ということで、真如堂の境内から出ることに。
2023年も、五山送り火は無事行われました。
吉田山からは、如意ヶ岳の大文字しか見ることができませんが、それほど混雑しないので、じっくりと鑑賞できます。
如意ヶ岳の大文字だけを見るなら、吉田山は絶好の鑑賞場所ですね。
来年も五山送り火を見られることを祈って、1年間過ごしましょう。