8月8日に京都市東山区の六波羅蜜寺と西福寺に迎え鐘を撞きに行った後、東に少し歩き六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)に参拝しました。
六道珍皇寺は、8月7日から10日まで六道まいりが行われています。
この期間にお参りをし、先祖の霊を迎えるのが京都の盂蘭盆(うらぼん)の風習です。
小野篁と閻魔大王を拝む
六道珍皇寺には、京阪電車の清水五条駅から北東に約8分歩くと到着します。
六道珍皇寺の門前には、六道まいりの期間であることを示す横断幕がかかっていました。
この辺りは、普段は人が少ないのですが、さすがに六道まいりの期間とあって、多くの人の姿が見られます。
六道珍皇寺の山門の前には、「六道の辻」と刻まれた石碑が置かれています。
ここは、かつて、この世とあの世の境目と言われていた六道の辻です。
平安時代に三大葬送地とされた鳥辺野は、この近くにありました。
山門をくぐると、高野槙を売るテントがあります。
六道まいりでは、まず、ここで高野槙を買い求めます。
参道を歩いていくと右手に薬師堂が建っています。
普段は戸が閉まっている薬師堂ですが、六道まいりの時には開かれており、中に祀られている仏像を拝むことができます。
貴重な機会ですからお参りしておきましょう。
薬師堂の北側には、閻魔堂が建っています。
閻魔堂も、普段は戸が閉じられていますが、六道まいりの期間は開いています。
堂内の左側に恰幅の良い閻魔大王の像が祀られています。
見るからに怖そうな顔をしています。
堂内の右側には、六道の辻から冥土に行き閻魔大王に会っていたとされる小野篁(おののたかむら)の像も祀られています。
小野篁の像の近くには、妖怪のような像もあり、恐ろしい姿をしています。
閻魔大王にも、舌を抜かれないようにしっかりお参りしておきましょう。
行列ができた迎え鐘
この日は、雲がやや多かったですが、スカッとした青空が見えました。
気温も、真夏にしては低めで、この時期としては涼しかったです。
境内の中央に祀られているお地蔵さま。
お地蔵様の後ろに本堂があるので、お参りをしましょう。
本堂前では、亡くなった方の法名や俗名を水塔婆(みずとうば)に書いてもらいます。
そして、境内の東側にある迎え鐘を撞きます。
私も迎え鐘を撞こうと思ったのですが、行列がお寺の外までできており、とても時間がかかりそうだったので諦めることにしました。
境内は、六道まいりで訪れた方の撞く迎え鐘が鳴り続けていましたよ。
水塔婆を線香で浄めた後、地蔵尊宝前に備えられた高野槙で水回向(みずえこう)を行って納めます。
高野槙は、お精霊さん(おしょらいさん)と呼ばれる先祖の霊の依代(よりしろ)となるので、持ち帰って仏壇に飾る盆花とします。
8月17日には、盂蘭盆会施餓鬼(せがき)法要が行われ、本堂前の六道の辻ですべての水塔婆への総供養が行われます。
本堂にお参りを済ませたので、そろそろ六道珍皇寺から出ましょう。
参道を山門に向かって歩いている時も、背中の向こうで迎え鐘の音が鳴り続けていましたよ。
この後は、大谷本廟に参拝します。
なお、六道珍皇寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。