お寺の境内などによく植えられている松は、多くの場合、細長い葉が2本1束になっています。
五葉松の場合は、5本の葉が1束になっていますね。
さて、京都市左京区の永観堂には、葉が3本1束になっている三鈷(さんこ)の松が植えられています。
3つの福を授けてくれると伝わっていますから、永観堂に参拝した時にはしっかりと拝んでおきたいですね。
御影堂の裏に植えられている三鈷の松
永観堂には、市バス停「南禅寺・永観堂道」から東に約3分歩くと到着します。
永観堂の境内には、たくさんのカエデが植えられており、秋になると紅葉が美しいことから、紅葉の永観堂と呼ばれていますね。
大玄関から堂内に入り、順路にしたがって御影堂(みえいどう)に向かいます。
そして、御影堂の脇の廊下から裏へと進みます。
すると、御影堂の裏側、臥龍廊の手前に背が高い三鈷の松が植えられています。
三鈷とは、密教における法具のひとつで、両端が三つ又に分かれ尖っています。
三鈷の松とは、つまり、3本の葉が法具の三鈷に似ているということですね。
お堂の柱には、「世にも珍しい葉が長く、しかも三本である、これを持つと三つの福が自然と備わるといわれる」と記されています。
三福とは、智慧、慈悲、まごころのことです。
それなら、三福を授かるために三鈷の松の葉を拾って持ち帰りたいところですが、「降りて拾ってはなりません」との注意書きがあるので、遠くからただ拝むだけしかできません。
三鈷の松を授かりたい方は、境内のお店に行ってみるとあるかもしれませんよ。
永観堂は、11月の紅葉の時期にはたくさんの旅行者や観光客の方が訪れます。
人の波にもまれながら境内を一巡しなければならないので、じっくりと三鈷の松を見ることができないかもしれません。
紅葉の時期以外は、人が少なく境内は閑散としているので、落ち着いて永観堂を拝観したい方は、11月以外の時期に参拝するのがおすすめです。
初夏から梅雨にかけては、カエデの新緑がきれいですから、この時期に永観堂を訪れるのもおすすめですよ。
なお、永観堂の詳細については以下のページを参考にしてみてください。